崩壊寸前だった家族がクラシックのカルテットを結成することで、絆を取り戻し、再生していく姿を描いたヒューマンドラマ『カルテット!』。本作で類まれなヴァイオリンの才能を持つ少年・開(かい)役を演じるのが、高杉真宙(まひろ)。あの倉本聰も絶賛した、ダイヤモンドの原石ともいえる彼の初々しいインタビューをお届け!
女のコと間違えられて、スカウト
――小学6年のときに、今の事務所の方にスカウトされたそうですが、芸能界を目指したいという気持ちはあったのですか?
熊本の花火大会に遊びに行ったときに、声をかけられたのですが、芸能界にはまったく興味はありませんでした。TVドラマや映画というよりは、アニメやゲームの方に夢中でしたし、事務所の方は僕を女のコと間違えて声をかけたようで、「またか……」と思っていました。今よりも髪が長かったこともあって、男子トイレに入るときなど、よくほかの人に注意されていましたから(笑)。
――そんな高杉さんが、なぜ演技をしてみたいと思ったんですか?
その後、事務所の人に勧められて、一度舞台に出させてもらったんです。右も左も分からないまま、一カ月間練習したんですが、それがとても楽しくて……。その達成感から、もう一回演技をやってみたいなぁと思い、事務所に入れていただきました。舞台はすでに4本やっているんですが、カーテンコールが気持ちいいんです。舞台ならではのアクシデントも、ヒヤヒヤしながら楽しめるようになったと思います。とは言っても、映画で初めてカメラの前に立ったときはちょっと怖かったですけど。
<次のページ> 初主演作を携えて歩いた、グリーンカーペットの想い出
2011.12.22(木)
text:Hibiki Kurei
photographs:Asami Enomoto
hair&make-up:Takumi Saito(LAULEA)