2017年、主演作を含む6本の出演映画が公開され、先日「映画祭TAMA CINEMA FORUM(TAMA映画祭)」において「最優秀新進男優賞」を受賞。CREA WEBでは11年12月の初登場以来、一人の俳優として、その成長を追い続けてきた高杉真宙が、満を持して3度目の登場!

初主演ドラマから
「合唱」という新たな壁まで

――前回登場していただいた15年7月は、初主演ドラマ「明日もきっと、おいしいご飯 ~銀のスプーン~」が放送中でした。初主演という大役を果たしたことで、自身で考え方の変化はありましたか?

 そこまで“主演”ということを強く考えてはいなかったのですが、この作品を撮り終えたことによる気持ちの変化はあります。短期間で全45回をやらせていただき、セリフ量も多かったですし、自分の中では、またひとつ大きな壁をクリアした感じがしました。でも、「ここが今の自分の限界なんだ」と、初めて思わされた作品でもありました。撮影から家に帰って、セリフを覚えて、また撮影に行くという毎日の繰り返しだったんですが、オールアップの日に、自分の中に入ったと思っていたセリフが本番で全然言えなくて、何度も何度もリテイクを重ねてしまったんです。このことによって、「もっと頑張らないと!」という気持ちが沸き上がりました。

――当時、「連ドラは入場料を払って観てもらう映画と違って、自分のことをまったく知らない人に観てもらい、評価してもらうこと」と発言していましたよね。

 たくさんの人に観ていただけるのは嬉しいことですが、放送当時はあまり周りの評価を気にはしていなかったんです。それどころではなかったというのが本音なんですが……。以前、「ライダー」で僕のことを知っていただいた方とはまた違う、主婦の方にも観ていただけたようで、それはとても嬉しかったです。

――同クールにはドラマ「表参道高校合唱部!(以下、オモコー)」も放送されていましたが、「銀のスプーン」に続いて、テイストの違う学園ドラマに入ったことに関しては?

 「銀のスプーン」がオールアップした直後に「オモコー」の現場に入り、全然違うタイプの学園ドラマで楽しかったんですが、ここでは「合唱」という別の壁があって……。正直な話、歌うことは得意じゃないですし、スキル自体もない。ホントにできないコなんですよ(苦笑)。だから、合唱部のメンバーみんなで受けるレッスン以外に、事務所の方にお願いして個人レッスンも受けていたんです。それで3日で1曲仕上げるという、ドラマのペースについていくことができたと思います。

2017.12.08(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤
スタイリスト=石橋修一
ヘアメイク=堤紗也香