カッコいい幼馴染役を心がけた
「トランジットガールズ」

――具体的にはどういうことで悩みましたか?

 監督から「自分がそのキャラクターだったら、どう考えるか?」と言われても、ピンと来なかったんです。自分じゃない人間になるってことが。だから、監督には何度もリハーサルと稽古をしてもらいました。だから、撮影中はめちゃめちゃ辛かったですが、監督にはいろいろ教えてもらったこともあり、「これで終わるのは、ちょっともったいない」という気持ちもありましたし、もっといろんなキャラクターを演じてみたいという気持ちにもなりました。あと、普通に高校の先輩や後輩から「ドラマ観たよ」と言われたことも大きかったと思います。

――その後、さまざまな作品に出演されますが、個人的には15年のドラマ「トランジットガールズ」で演じたヒロインの幼馴染役が印象的でした。

 自分の好きな幼馴染が同性愛者だったという難しい役でしたが、監督からは「とにかくカッコいい幼馴染でいてほしい」と言われていたので、それだけを意識して、黙々と演じていたと思います。(共演の)伊藤(沙莉)さんは、とにかく普段のキャラが面白い方で、一緒にお芝居させていただくときも、とてもやりやすかったです。

――最新出演映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』では、広瀬すずさん演じるヒロイン・響に片思いする藤岡を演じています。

 今回も片思いの役だったわけですが(笑)、藤岡に関しては、まっすぐに好きな響を応援しているところが特徴的だと思います。響が落ち込んでいるときに「俺じゃダメ?」と言ったり、引くときは引いたり、何度も彼女を救ってあげたいと思っている。そんなカッコいい男のコキャラを目指して演じました。人気原作のキャラということはあまり意識しなかったと思います。

2017.11.03(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘