ハビエル・バルデムのような
個性的な俳優が目標

――初主演映画を経て、今後はどのような俳優になりたいと思っていますか?

 今までも『先生!~』のような実らない片思いをする好青年だったり、『デメキン』の暴走族の総長だったり、いろいろな役を演じさせてもらいましたが、「片思いキャラだよね」「ヤンキーキャラだよね」と、ひとつの括りに囚われたくない気持ちがあるので、今後もできるかぎり、いろいろな作品で、いろんな役柄を演じていきたいです。

――好きな俳優に『ノーカントリー』などで知られるスペイン人俳優、ハビエル・バルデムを挙げられていますよね。

 もともと『ノーカントリー』を観る前に『それでも恋するバルセロナ』を観ていたんです。そのときはあまり印象に残っていなかったんですが、『ノーカントリー』の猟奇的なキャラがあまりにヤバくて、いろいろ調べたら同じ役者さんだということが分かり、どんどん好きになっていったんです。彼のような目つきができたら武器になると思っていますし、どこかで憧れや目標のような存在です。そして、健太郎というより、それぞれのキャラを覚えてもらえるような役者になりたいです。

――ちなみに、モデル活動時の名前で、俳優活動を続けている理由はなんですか?

 じつは「トランジットガールズ」のときに一度、「苗字を付けた方がいいかも?」という話になって、いろんな案が出たんです。でも、僕のなかで「そのままでブレイクしてやる!」という強い気持ちがあって、そのままで活動してきたんですが、今年20歳を迎え、役者としてしっかりやっていきたいということもあり、「そろそろ付けるのもアリかな?」とも考えているんです。

健太郎(けんたろう)
1997年6月30日生まれ。東京都出身。14歳からモデルとして活動し、2014年にドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で本格的に俳優デビューし、15年には『俺物語!!』で映画デビュー。現在、「アシガール」(NHK総合)に出演中。12月2日より、初主演映画『デメキン』が公開される。

『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
クールで生真面目な世界史教師・伊藤(生田斗真)に恋した、弓道部所属の女子高生・響(広瀬すず)。生まれて初めて人を好きになった彼女は、自分の気持ちを率直にぶつけるが、彼女に惹かれる伊藤は自らの立場から一歩を踏み出せずにいた。そんななか、響は他校の弓道部員・藤岡(健太郎)と出会う。
2017年10月28日(土)より全国公開中。
(C)河原和音/集英社
(C)2017 映画「先生!」製作委員会
http://www.sensei-movie.jp/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2017.11.03(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘