童話ホラーの傑作、舞台「人間風車」が14年ぶりに新演出で上演。劇中でキーパーソンとなるサムを怪演する加藤諒。昨年、初座長も務め、勢いに乗る彼の“居場所”についても触れる。

お茶の間の人気者になった
「あっぱれさんま大先生」

――5歳のときに、ダンスを習い始めたそうですが、その理由は?

 僕、お姉ちゃんが2人いまして、2人ともダンスを習っていたんです。その送り迎えをしていたお母さんに僕は付いていっていて、だんだんとダンスのマネをするようになりました。その頃、親戚がダンススタジオを始めたこともあり、そこでジャズダンスを習い始めました。ちなみに、そのスタジオは、地元・静岡のイベントやローカルCMをキャスティングする事務所もやっていたんです。

――その流れから、10歳の頃、オネエキャラで人気者になったバラエティー番組「あっぱれさんま大先生(以下、あっぱれ)」のオーディションを受けられるわけですね。

 そのダンススタジオと今の事務所(キューブ)が提携していたこともあって、お話をいただき、オーディションを受けました。今、舞台「ハイキュー!!」などで活躍している川原一馬も同じダンススタジオ出身で、事務所の同期です。オネエキャラというか、お姉ちゃんのいる僕にとっては普通だと思っていたのですが、幼稚園の頃からおままごとをしたり、七夕の短冊に「人魚姫になりたい」と書いてたんです。だから、番組内で(明石家)さんまさんに「お前、カマか?」と言われたことで、自分のキャラが周りの子たちと違って、しかもそれが面白いことなんだ、ということに気付いたんです。

2017.09.22(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖