広瀬すず演じるヒロインを
弓道を通じて陰で支える難役

――藤岡は他校の生徒ながら、響と同じ弓道部というのもポイントになっていますよね?

 そのときの感情がそのまま出てしまう、精神が大事な弓道というスポーツを通して、彼女と通じ合っている感じがしますし、そこからのフォローみたいなものは藤岡にしかできないんじゃないかと思ったんです。自分も弓道の練習をしながら感じたんですが、何か余計なことを考えていると、まったく的に当たらないんです。だから、弓道場でのシーンは注意深く演じました。

――ちなみに、この作品で、どんな新しい健太郎さんが観られると思いますか?

 やっぱり、弓道じゃないでしょうか。道着姿だったり、先生からも「スゴく巧くなったね」と言ってもらえるほど上達しましたし。だから、実際に弓道をやられている方が観ても合格点をもらえたら嬉しいです。

――この後、12月には芸人・佐田正樹さんの実話を基にした初主演映画『デメキン』が公開されます。

 今年の2月に撮影したんですが、自分の心の中に強く残る作品になりました。2週間の撮影が、とっても楽しかったですし、みんなで映画を作るという感覚を勉強させてもらいました。とにかく誰よりも作品を愛すること、楽しむことで、キャストのみなさんの士気を上げられたらいいなとは思っていましたが、最後にみなさんから「最高の座長だった」と言ってもらえたので、少しは引っ張ることができたのかな? と思っています。

2017.11.03(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘