マクロビ、ジビエで
ランチもディナーもヘルシーに

「まくろびcafeひより」のランチ。季節の野菜を使ったマクロビメニュー。この日は、ブロッコリーのバーグ、柚子酢を使った干し柿入りなますなど。ソースにいたるまですべて手作り、無添加。ヘルシーだけど、お腹はしっかり満足する。

 カフェインが苦手という人から人気を集めているのが、玄米を焙煎したコーヒーのようなノンカフェインのドリンク、「四郎の玄米珈琲」だ。製造しているのは、マクロビオティック料理が楽しめるカフェ、「まくろびcafeひより」。

 玄米を焙煎して粉末化してあるので、飲むときはお湯か水を注ぐだけ。味は、さっぱりとしながらも香ばしいアメリカンコーヒーといった感じ。玄米といえば、ミネラルやビタミンがたっぷり。その効能を生かすべく、じっくり遠赤外線で焙煎している。

 「第二の脳と言われている腸の調子がよくなり、お肌もきれいになりますよ」と、オーナーの井立美穂子さん。

「四郎の玄米珈琲」にあわせたこの日のデザートは、玄米とココア、きび糖で作ったトリュフ。見た目も食感も味もトリュフチョコレートそのものでびっくり!

 低農薬や有機栽培の野菜を使ったマクロビ料理は、女性だけでなくファミリーにも人気。安心して食べられる料理と玄米珈琲は、はりきってご馳走を食べ過ぎてしまった旅の途中の胃袋にも優しい。

まくろびcafeひより
所在地 熊本県天草市東町50-1
電話 0969-22-2798
営業時間 11:00~18:00
定休日 第1・3日曜
http://cafehiyori.com/

 カフェホッピングが目的でも、天草を訪れたのならおいしいディナーは欠かせない。

 この旅で選んだのは、カジュアルフレンチの「シャルキュティエ Picasso」。ここは、フレンチコースのケータリングやフードコンサルタント、商品開発などを手がけ、「お店を持たないシェフ」として知られていた松田悠佑シェフが、満を持して2016年にオープンしたレストラン。

畜産農家から肉、農家から野菜を直接仕入れて、天草らしさを感じるフレンチに仕上げるのが、松田シェフ流。フルーツカービングも得意!

 天草の食材を使った料理で人気のこの店で、予約すればジビエ料理が食べられるという。冬眠前にたっぷりと食べ貯めているイノシシは、ちょうどこのときが旬。天草でジビエとは思いもよらなかったけれど、地元では昔から食べられているのだそう。

「白菜のシャルロット イノシシのラグーソース」(左)と「イノシシのステーキ ブルーベリーソース」(右)。イノシシ肉は、低カロリー高タンパクでヘルシーな食材。

 ジビエ料理1品目は、「白菜のシャルロット イノシシのラグーソース」。白菜のみずみずしさとシャキシャキとした感触が、さっぱりとしたイノシシ肉とよく合う。

 もう1品は、もも肉を使うことでヘルシーに仕上げた「イノシシのステーキ ブルーベリーソース」。「木の実を食べているイノシシの芳醇な香りと、濃厚で甘酸っぱいブルーベリーソースが合うんです」と、松田シェフ。

 イノシシ肉はどちらかと言えば苦手なので、恐る恐る口にしてみると……まったく臭みもクセもない! むしろ豚肉よりあっさりしている。その秘密は、イノシシを傷つけず苦しませない方法で獲ること、すばやく処理をすることで、臭みを防ぎフレッシュさを保っているから。

温めるだけ、焼くだけでプロの味を再現できる商品は、ホームパーティーでも大活躍しそう。オンラインでも購入可能。

 この味のファンになった人たちが買い求めていくのが、加工食品。松田シェフは、シャルキュティエ(食肉加工職人)でもあるのだ。無添加で仕上げた「大江産ロザリオベーコン ミ・キュイ」や、海藻入りの飼料で育てた地鶏を使った「姫戸産天草大王レバーペースト」、﨑津教会近くで育ったブランド豚を調理した「大江産ロザリオポークのトマト煮込み」は、おもてなしにも使えそうな逸品だ。

シャルキュティエ Picasso
所在地 熊本県天草市南新町3-8
電話 0969-66-9595
営業時間 18:30~24:00(L.O. 23:30)
定休日 木曜
http://picasso2014.com/

 サードウェーブコーヒーにマクロビ料理にジビエ。意外な組み合わせを楽しんだ真冬の天草旅。この街はいつ訪れても、発見や癒しに溢れている。まだ旅は終わったばかりというのに、もうすでに、天草に行きたくてうずうずしている。

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn

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2017.02.07(火)
文・撮影=芹澤和美