兄妹愛のストーリーにも注目!
――そんなタイトなスケジュールのなか、核となるアクションシーンの撮影はいかがだったのでしょうか?
ほぼ1テイクの撮影でした。また、トラックのなかで、デヴィッド・サクライさんが演じた剣豪と戦うシーンは4時間ぐらいで撮っているんです。しかも、鉄の刀しか用意できなかったこともあり、お互い緊張感がありましたし、いろんなトラブルやハプニングが起こりましたね。ただ、中休みのときに、パルクールの練習がしたいと思っていたら、スタッフの方が「テンペスト」というパルクール専用の施設に連れていってくださったんです。あれは嬉しかったですね!
――女性読者に本作のみどころを教えてください。
アクションに関しては、素手がメインになっているので、とても分かりやすくてストレート。でも、僕自身はアクション以上に、ケンジというキャラクターがアメリカに渡って妹を救い出そうとする、兄妹愛のストーリーを中心に観て、何かを感じてほしいですね。
――今後の目標や夢を教えてください。
主演にこだわらず、できるだけ多くのいい作品に出会いたいですし、ジャッキー・チェンさんや三船敏郎さんみたいな、世界も視野に入れた俳優さんに憧れます。またアクション映画をやりたくて、この世界に入ったわけではないので、別にアクションに特化した作品でなくてもいいと思っています。パルクール・コーディネーターとしては、かなり危ないスポーツとして捉えられていることもあって、今後はいいカタチで広められたらいいと思っています。
ハヤテ
1980年11月21日生まれ。千葉県出身。高校時代から空手道を学び、演武大会で6連覇するほか、型・組手で20回以上の優勝経験を持つ。また、パルクール・コーディネーターとしても国内トップの実績を持つ。14年、ショーアトラクション「KAKASHI~暗殺戦術特殊部隊 暗黒の死闘~」で主演し、アニメファンからも高い評価を得る。また、同年には金子修介監督作品『少女は異世界で戦った』で映画デビューを果たした。
『KARATE KILL/カラテ・キル』
女優を目指してロサンゼルスに留学し、連絡が途絶えた妹・マユミ(紗倉まな)を探すため、アメリカに渡ったケンジ(ハヤテ)。謎の組織キャピタル・メサイアに、マユミが捕まったことを知った彼は、テキサス州エルパソ郊外の辺境にある組織の本拠地へ乗り込む。
(C)2016 TORIN, INC.
2016年9月3日(土)より、シネ・リーブル池袋ほか、全国順次公開。
http://karate-kill.com/
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2016.08.19(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘