ロサンゼルス在住の光武蔵人監督がメガホンをとったアクション映画『KARATE KILL/カラテ・キル』で、空手使いの主人公・ケンジを演じたハヤテ。実際に空手の師範でもあり、いきなり映画初主演を務めた彼の正体は?

野球少年から空手道へ

――師範である空手を始めたきっかけは?

 小学生からずっと野球をやっていて、高校にも野球の推薦で入ったんですが、とある事情から野球をやめてしまったんです。そんなとき、その1年ぐらい前から空手を始めた兄に誘われて、空手の道場を見学に行ったんです。半ば強制的だったのですが、僕も喧嘩が強くなれたらいいかなって軽い気持ちでした(笑)。

――厳しい稽古を続けていくことができた理由は何でしょうか?

 男兄弟の中で育ったので、戦うというか争うことには慣れていましたし、道場の先生たちが付きっきりで教えてくださったこともあり、最初の目標として茶帯を目指すことができたんです。目安としては3年ぐらいだったんですが、そのあいだに空手の奥深さのようなものが分かり始めたことも大きいです。

――さらに演武大会で6連覇するなど、快進撃を続けますが、最終的な目標みたいなものは見えてきていましたか?

 配達業だったり、町工場勤務だったり、基本、空手の練習ができる環境で仕事をしながら、次に黒帯、それで免許皆伝を目指すようになりました。そして、20代後半だったんですが、道場では最年少で師範になることができました。空手にはプロというものはないので、この空手を世に残したい、という気持ちにシフトしていきました。そのためには、先生のものをすべて受け継ぎ、先生たちを抜きたいと。でも、未だに抜けません。

2016.08.19(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘