韓国でインディーズ映画として異例の大ヒットを記録した『ひと夏のファンタジア』に主演した岩瀬亮。劇中で2役を演じ分け、韓国映画界に新風を巻き起こしている彼は“第二のディーン・フジオカ”か? それとも、“第二の堺雅人”か?
自主映画から舞台へ
――岩瀬さんは早稲田大学の出身ということですが、在学中は演劇サークルなどに入られていたのでしょうか?
いいえ。大学の4年のときに、友だち数人と映画サークルを作りました。子供の頃から、映画雑誌を読んでいて、といっても「ロードショー」と「スクリーン」くらいしかなかったのですが、そのころから映画が好きということがあって、自分で撮りたかったんです。ただ、ほかにも撮りたい人がいたので手伝いをしているうちに、出演者として作品に出るようになりました。そういう機会が増えるうちに、演じることの方が楽しくなっちゃって、今に至る感じです。
――大学卒業後には、舞台を中心に活躍されますが、その経緯を教えてください。
大学を卒業しても、特に就職はせず、2年ぐらい友だちの作る自主映画にちょくちょく出ながら、アルバイトをしていました。そのときに、知り合いの紹介で演劇をやっている人に出会って、舞台に出るようになりました。あの頃は舞台について何も知らない状態だったので、自分の中で特に映像との違いみたいなことを感じないまま、やっていましたね。それで「やっぱり演技って面白いな」と思うようになって、それがひとつの転機となり、舞台での活動にシフトチェンジしました。それで2回目か、3回目ぐらいで、劇団ポツドールの舞台に出させてもらったんですが、これは自分にとって衝撃的な体験でした。俳優って、こんなにやらなきゃいけないことがたくさんあって、こんなに楽しいものかと!
――その後、『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也監督と出会い、彼の自主映画に出演されますよね。
真利子監督は、その僕が出ていたポツドールの舞台を観に来ていて、それきっかけで彼の大学院の修了制作だった『イエローキッド』に呼んでくれたんです。そのときに出会った人たちと今でも関係が続いて仕事をしたり、とても繋がっている感じがするので、転機になった作品は『イエローキッド』といえるかもしれません。今回『ディストラクション・ベイビーズ』でもキャバクラの運転手役で呼んでくれたのですが、とても嬉しかったですね。
2016.07.08(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘