空手の腕を買われ、映画2作目にして主演

――同年にはショーアトラクション「KAKASHI~暗殺戦術特殊部隊 暗黒の死闘~」で、「NARUTO」に登場する人気キャラ・カカシ役として主演に抜擢されました。

 『少女~』の撮影後に、以前立ち回りを教えていただいた先生からオファーがいきなりきたんです。初主演ということに関する実感はあまりなかったんですが、やることがたくさんありましたね(笑)。このように、この世界に入ってから嵐のように事が進んでいる気がします。たとえば、NTT西日本のCM(「超えていく~躍動~」篇)では、イチロー選手にパルクールを指導したんです。まずパルクールについて理解していただくことから始まるなど、大変な仕事だったのですが、お互いに初動負荷トレーニングをやっていることもあり、その話題で盛り上がったのも印象的でした。

――さらに、今回『KARATE KILL/カラテ・キル』で主人公・ケンジ役にも抜擢されました。

 『少女~』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映されることになり、勉強のために自腹で現地に行き、そこで初めてプロデューサーさんとゆっくり空手についてお話ししたんです。本格的に空手をやっていたことを事務所にも言っていなかったので、みなさん驚かれていました(笑)。また、ゆうばり映画祭には光武蔵人監督が『女体銃 ガン・ウーマン/GUN WOMAN』を出品されていて、その縁もあって、この映画の企画が生まれたんです。

――ほぼアメリカ・ロケの撮影において、ケンジの役作りはどのようにされましたか?

 監督のイメージとしては、クリント・イーストウッドのような古き良きアクション映画の無口で無骨な男だったのですが、僕は全然違うので大変でしたね(笑)。ほぼアメリカ・ロケということに関してはビックリしましたが、3週間の撮影では、アメリカの俳優さんに稽古を付けるなど、とにかく忙しくて時間がなかったですね。

2016.08.19(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘