おとなになって、高級なレストランに行くようになったし、おしゃれな料理もたくさん知っている。でも、ふとした瞬間に、母の手料理が恋しくなったりしませんか?

 カレー、生姜焼き、ハンバーグ、肉じゃが……。慣れ親しんだあの味に出合える、ほっとできる家庭料理のお店をご紹介。

» 第1回 食べだしたらとまらない「鶏の唐揚げ」
» 第2回 からだがほしがる「野菜」
» 第4回 おとなになっても好きな「カレー」
» 第5回 ふっと恋しくなる「生姜焼き」
» 第6回 ニッポンのうまい「洋食」
» 第7回 懐かしの「卵焼き」
» 第8回 ときどき食べたい「ハンバーグ」
» 第9回 ほっこりやすらぐ「汁もの」
» 第10回 ぐつぐつ「煮物」
» 第11回 結局おいしい「ごはん」

【おふくろの味】
#03 魚

 家での調理が苦手な人も多いはずの、魚料理。がんばって作るのもいいけれど、たまにはお店で本当においしい魚を。気分に合わせて、お気に入りの店へ。

ふっくらとした身、甘辛い煮汁が郷愁を誘う

◆ おふくろの味 ねぎ[赤坂見附]

鯖の味噌煮。

 創業は1970年。3年前、元オーナー引退を機に、おまかせ割烹赤坂『まめ多』の女将がスタイルを変えることなく引き継いだ。昼は魚主体の定食を、夜は魚料理に加えて味自慢のお惣菜がカウンターに並ぶ。

左:銀だら味噌焼。
右:子持ちヤリイカ(手前)、ピーマン明太子は、ファンが多い逸品。シャキッとピーマンの食感を残して火を通すのがコツだそう。夜はお惣菜盛合せ 2,500円~が楽しい。日本酒は若波(福岡)や、美潮(高知)がおすすめ。

 きんぴら、ひじきの煮物、小松菜ごま和えなど、あれこれつまむならば、盛り合わせを頼むのが正解だ。自慢の魚料理は、ぜひ鯖の味噌煮を。風味のいい仙台味噌を使い、ほのんり甘めに炊き上げてある。ほっくりとジューシーな鯖の身を崩しつつ、煮汁をたっぷりとからめて食べるのがいい。食べ進むごとに母の味が恋しくなる。

左:ポテトサラダ、レバーの生姜煮など、お酒を誘うラインナップ。
右:「営業時間より仕込み時間が長いのよ」と女将。

おふくろの味 ねぎ
所在地 港区赤坂3-7-15 小川ビル1F
電話番号 03-3584-5345
営業時間 11:30~13:30(L.O.)、18:00~21:30(L.O.)
定休日 土、日、祝
席数 20
料金 昼定食 900円~、豚汁などが付く
※カード利用可(夜のみ)、価格は昼のみ税込

2016.05.26(木)
文=池田祐美子
撮影=石川啓次

CREA 2016年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

だらだらリラックスのすすめ。

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