おとなになって、高級なレストランに行くようになったし、おしゃれな料理もたくさん知っている。でも、ふとした瞬間に、母の手料理が恋しくなったりしませんか?

 カレー、生姜焼き、ハンバーグ、肉じゃが……。慣れ親しんだあの味に出合える、ほっとできる家庭料理のお店をご紹介。

» 第1回 食べだしたらとまらない「鶏の唐揚げ」
» 第2回 からだがほしがる「野菜」
» 第3回 やっぱり食べたい「魚」
» 第4回 おとなになっても好きな「カレー」
» 第5回 ふっと恋しくなる「生姜焼き」
» 第6回 ニッポンのうまい「洋食」
» 第7回 懐かしの「卵焼き」
» 第8回 ときどき食べたい「ハンバーグ」
» 第9回 ほっこりやすらぐ「汁もの」
» 第10回 ぐつぐつ「煮物」

【おふくろの味】
#11 ごはん

 女将がひとりで切り盛りする銀座の小料理屋のこだわり抜いた炊き込みごはん。日本人ならやっぱりごはん。そう思わせられる逸品をぜひ。

大切にしたい季節のごはん
初夏は穴子を爽快に味わう

◆ みな美[新橋]

左:土鍋でふっくらと炊き上げた穴子飯は〆の一例。どっさり刻んだ大葉と新鮮な青実山椒を1~2粒のせて穴子のうま味に清涼感をプラス。
右:女将の砥上親美さん。「穴子飯は梅雨時が一番おいしいの」

 素材の持ち味をいかした煮魚から季節の漬物、焼き飯など、ごまかしのないしみじみとした家庭料理を味わえる店が、銀座8丁目の裏通りにある。女将の砥上親美さんがひとりで切り盛りしている「みな美」だ。築地や市場へ女将自ら足を運び、その日仕入れた素材に応じて、一つひとつ手を加えながら、おいしいものをつくり出している。

季節の炊き合わせ(コースの一部)には、水茄子やうど、スナップエンドウ、近江八幡名産の赤こんにゃくなど。

 メニューはおまかせ。酒のつまみになる先付があり、刺身、煮物、焼き物など。季節によって〆のごはんが変わるのもお楽しみ。初夏は土鍋で炊き上げた穴子飯が登場。元銀座の有名フレンチ出身ということで、「マダム」と慕う顧客も多い。

ゆったりとくつろげる小上がり席。

みな美
中央区銀座8-4-23 クレグラン銀座ビル2F
電話番号 03-3572-0373
営業時間 17:00~翌2:00(L.O.)
定休日 無休(土、日、祝は前日までの予約が必要)
席数 15
料金 おまかせコース(ごはん付き9品) 5,000円、おつまみのコース(7~8品) 4,000円
※カード利用可

2016.06.03(金)
文=大嶋律子
撮影=釜谷洋史

CREA 2016年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

だらだらリラックスのすすめ。

CREA 2016年6月号

がんばりたくない人のための
だらだらリラックスのすすめ。

定価780円