フランスで3ツ星からビストロまで10年間も修業

 銀座1丁目の「ラ・ベットラ ビス」の跡地に、2015年9月10日にできたばかりのビストロです。オープン以来、満席続きとか! ガラス張りで、通りからも、賑やかで楽しそうな様子がよく見えます。

目の前には公園があり、パリのような雰囲気。

 全体を見渡せる、明るくすっきりとした空間で、テーブルにクロスはなし。気取らない雰囲気です。テーブル席のほかにカウンターもあり、その向こうに見えるシェフが、菊地佑自さん。フランスの3ツ星レストランから、「シェ・ミッシェル」「ラミジャン」といったパリでも大人気の伝統的なビストロまで、様々な店で修業しながら、10年もフランス生活を送っていたといいます。

 帰国後3年を経て、ついに自分の店「ビストロシンバ」をオープン。まだそれほど時間がたっていないのに、「魚料理がおいしい」「ブイヤーベースが最高」「肉もいい」、いろいろな噂がわたしの耳にも入ってきていました。

出来たばかりのコージーなビストロ。

 席についてメニューを開くと、フォアグラや豚の耳のサラダなど骨太なものがあるかと思うと、魚を使ったさっぱりしていそうなもの、野菜がたっぷりとれそうなものもあって、気分に合わせて選べます。前菜は1,000円台中心で、メインはその倍くらい。お任せコースもあって4,900円から。

 アラカルトで注文したこの日、最初に食べた料理は、トマトのメンチ。

 トマトのメンチ? こんな料理名をメニューに見つけたら、誰だってオーダーせずにいられないのでは。出てきたのは、ピンポン玉くらいのコロッケ。

ピンポン玉くらいの大きさのトマトのメンチ。

「熱いですよ。でも一口で食べるのが一番おいしいです」

 と言われれば、やけど覚悟でスプーンにのせて、ぱくっ。トマトの甘酸っぱい汁と、肉汁、そして香ばしさが、まさに一気に口ではじけ、まるで小籠包のようなコロッケ! おいしかったのは言うまでもありません。

2015.11.16(月)
文・撮影=浅妻千映子