◆SOUTH LAB 南方
[錦糸町]
中華料理とワインのマリアージュ
野菜のおいしさにも開眼
![今日は、2019年6月4日(火)にオープンしたばかりの話題の中国料理店にお邪魔します。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/-/img_154bf93c695a3eba85dad69768971a6b248516.jpg)
最近はハワイにしか行っていないが、初めての海外は香港だった。日航ホテルで初めて鳩を食べた。
そこからはまりにはまって、香港と名のつくガイドブックは片っ端から買いまくった。そんなある日、書店で見つけた写真集にくぎ付けになる。
フォトグラファーは菊地和男。写真だけでなく、食にも精通する大家である。
あれから30年、まさか菊地先生プロデュースの店で、鳩を食べることになるとは!
2019年6月4日(火)にオープンしたその店の名前は、SOUTH LAB 南方(サウスラボ・みなかた)。
![錦糸町駅北口から徒歩2分ほど。隣にはローソンがある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/-/img_ff523714fa707ad6d1379488dec8c284238957.jpg)
広東・潮州を軸に、タイやベトナム、プラナカン(ニョニャ)をリスペクトした料理を、ワインとともに愉しむ、というのがコンセプト。
菊地先生といえば、ワイン。ナチュールを中心に、ボトルで4,000円から10,000円のものをラインナップ。
グラスは10種ほどで、900円から1,300円。ペアリングも予算に応じてやってくれるとのこと。
ビールはハートランド。ノンアル派のことももちろん考えていて、おいしいジュースと、茶人でもある菊地先生が選んだ中国茶の水出しが用意されている。
料理は、6,500円、8,000円、10,000円コースを用意(豪華食材希望の場合は、金額UPでいかようにも)。今回は、10,000円のコースをお願いした。
![すっきりとしたインテリア。客席は26ほどだろうか。ゆったりしている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/-/img_d6a1f973a43f15f940cca732da63c0c8214968.jpg)
まずはスープが登場。韮王揺柱羹。具は、黄韮と貝柱。
「魚の浮き袋の細切りを入れたかったけど、いいものがなくて」と代用で入れた豚ガツの細切りがまたいい塩梅。
![基本の上湯がすばらしい。とろみのあるスープで胃袋もポカポカと温まってきた。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/-/img_f0bb4c7fb512ca127299e0382e7c5a17161751.jpg)
パクチーサラダ。赤ワインビネガーとクミンに、タイ産のエシャロットを加えたドレッシングが、“サウス”な風を運んでくる。
それにしても驚いた。葉はもちろん、揚げた根の部分がべらぼうにうまいのだ。
野菜の大部分は、希少なアジア・西洋野菜を飲食店向けに栽培している株式会社テラ・マードレのものだという。
「今日はほかにも野菜は出ますか?」「うん、出しますよ」。期待が高まる。
![パクチー嫌いの人にもトライしてほしい爽やかさ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/e/-/img_4e4827f76df66108e4063a34f82fbc17193401.jpg)
![テラ・マードレのハーブは、店内でも買うことができる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/-/img_c885a55002ea469fecd89ccd15e563d9243560.jpg)
「ちょっとこれつまんでて」と、各自に自家製のXO醤が。とがったところがない、上品な味わい。
シェフは香港のアイランド シャングリ・ラ「夏宮」の出身というのも納得だ。
![好きな人はこれだけで飲んじゃいますね。いけない、いけない。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/9/-/img_4913cd0885df4168d3e6731627873eb8202056.jpg)
次の逸品にも驚き! 鶏子戈渣ではないか!
新鮮な鶏の白子を集めてペースト状にし、衣をつけてさっくりと揚げた古典的な広東料理。お金が取れない割に大変手間のかかる、料理店泣かせの逸品。
「これ、香港・湾仔の福臨門でいただいたことがありますよ! 懐かしいです」と言うと、「そりゃあそうさ」と菊地先生。
シェフは銀座の福臨門でも厨房を任されていた辣腕だったのだ。
![外はサクッ、中はとろふわ。ほんのり塩味。白ワインにも合う。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/0/-/img_20cfba05167116170a4628306d077c30143187.jpg)
生煎蝦餅は、海老の練りもの、炒め揚げした一品。
タイ料理のトート マン プラー(さつま揚げ)にも似ているが、こちらのほうが繊細。タレの類を必要としない完成された味。
![東南アジアのハーブ、バイマックルー(こぶみかんの葉)が利いている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/1/-/img_31424fb0fbb5d0c2f3bbc16b0b4447e5162487.jpg)
2019.06.17(月)
文・撮影=Keiko Spice