店名からして曲者感たっぷり! 「Nood e」は料理も一味違う

 横浜駅に直結するニュウマン横浜の8階。近未来のSFに登場する町中華や屋台のような、どこか風変わりな佇まいの店があります。名前は「Nood e」(ヌード)。

 実はこの店名には、素材そのものという意味や、“食べたい!”という、ありのままの気持ちに正直になるという意味が込められていますが、麺を意味するNoodleからlを外して、不自然に半角空けた綴りからは、ひとくせもふたくせもありそうな店であることも伝わってきます。

 果たして、どんなサプライズが待ち受けているのでしょうか?

 この店の謳い文句は「餃子と〆の店」。メニューを見ると、ザーサイやポテトサラダ、四川風よだれ鷄など、酒の肴として楽しめる料理も豊富に揃いますが、「餃子と〆の店」というからには、外せないのは餃子です。

これぞ餃子のニューノーマル! 楽しみ方のバラエティも豊富

 定番のひとつである「タレなし餃子(ニンニク有)」は、甘みのあるジューシーな豚肉と、あとから漂うポルチーニの香りが特徴です。これまでにない新鮮な味わいなのに、奇をてらった感じではなく、普通にめっちゃおいしい! まさに餃子界のニューノーマルです。

 聞けば、シェフはおもにイタリアンで腕をふるってきた方で、その経験や知見を活かして中華料理を再解釈。個性的でありながら、毎日食べたくなる味わいを実現しました。

 タレなしでいただいたあとは、粗挽き黒胡椒とホワイトペッパーをたっぷり入れた純米富士酢でどうぞ。みずみずしい酸味が食欲をそそります。そして、最後は餃子専用の自家製タレで。コクがあってまろやかな、コクまろ餃子に味変しますよ。

 名前からして辛そうなメニューが「青唐辛子とハーブの肉餃子」。でも、ご安心ください。実はこれ、辛くないんです。ベースとなっているタレなし餃子を、青唐辛子のさわやかな風味とともに味わえます。暑い季節にはぴったり! ライムを絞ってどうぞ。

水餃子をフレンチで再構築するとこうなります

 水餃子だって想・定・外! 皮が薄くてやわらかく、するすると食べられてしまうのが「海老の水餃子」です。

 上にかかっているのは、フレンチのフュメ・ド・ポワソンをベースにした貝系の出汁で、その味わいはクリーム系のパスタのよう。ひとつひとつに大きな海老が入っていて、贅沢な気分にも浸れます。

 ドリンクメニューを見て気になったのが「餃子専用サワー」です。餃子に合わせるために開発された特製サワーで、京都の飯尾醸造の紅芋酢をベースに、ブラックペッパーをアクセントに加えています。その味わいは、すっぱ爽やか!

 時折ブラックペッパーの辛さがピリリと顔を出すのもおもしろい。餃子がどんどん進みます。

2020.08.05(水)
文・撮影=石川博也