「JJ」「明星」「Olive」を開きながら語らうにはカウンターがおすすめ
のっけから年のことはいいたくはないけれど、どうやら私も流行りのJポップよりも歌謡曲のほうに癒される年になったらしい。ラジオから流れる80年代、90年代の曲を聴くと、妙に心が落ち着くのですが、そんな心境にうなずいてくれるCREA WEB読者には、この店がぴったりと来るはず。なにせドアを開けると懐かしのグッズや雑誌が目に飛び込み、かけられる音楽も昭和歌謡曲ばかりなのです。
オーナーの岡田右京さんは麻布十番で居酒屋「十番右京」を経営。マニアックな日本酒、焼酎の揃えとおつまみのうまさで、いまや麻布十番で三本の指に入る人気店となりました。朝方4時までオープンという使いやすさで、芸能人にも人気。今年9月の「ぴったんこカンカン」(TBS系)でも俳優の向井理さんが大好きな店として取り上げ、新垣結衣さんと一緒に「トリュフたまごかけご飯」や「和だれつゆだくフォアグラご飯」を食べた番組が放送されたほどです。
その右京さんがかねてからやりたかったのが、青春時代を過ごした歌謡曲とグッズに囲まれたお店。その念願の店「歌京 J-POPS CLASSICS & BAR」をこの8月、「十番右京」から5分ほどのところにオープンしたのです。
カウンターの前には「明星」「JJ」「egg」といった懐かしの雑誌が。ページを開くと小沢健二や榊原郁恵、南野陽子、シブがき隊の写真が飛び込んできます。目の前のスクリーンでは早見優が出ている資生堂のヘアコロンシャンプーのCMやおニャン子クラブ「夕やけニャンニャン」の映像が流れている。たしかこれって80年代のはず。
壁のラックにはSONYのウォークマンやiMac、カセットレコーダーが飾られ、スピーカーからは当時のヒット曲が流れてきます。そんな曲を聴きながら、
「あの頃ってさあ、まだ学生だったけど、聖子ちゃんのあんな曲も流行ってたよね」
「W浅野なんて、いまどうしてるかなあ」
なんて会話をしていると、スタッフが気を利かせて、その曲をかけてくれるからたまりません。
2015.10.05(月)
文・撮影=小暮ひろみ