頑張れないときは大雨の日と一緒
――「頑張ることが正義だと思っていたけど、どうにもならなくなることがある」といったことを書いていらっしゃいますが、この言葉に共感を覚える読者も多いと思います。頑張りたくても頑張れないとき、どうやって気持ちを保っていらっしゃいますか?
保っていないし、頑張っても保てないです。でも、私の場合どんなに落ち込んでいても、自分を客観視して描写したり、分析したりできている部分はあるかもしれません。大泣きしながら「これいつかドラマで使えるかも……」って。職業病だと思うんですが、ある意味それに助けられているところもあります。
自分を俯瞰で見ることを楽しんでいるわけではないんですが、癖でどうしてもそうしてしまう。なので、「私はそういう特徴を持った人間なんだ」と受け入れています。普段、舞台の演出をしていると、見たものや感じたことをすぐ言語化して俳優やスタッフに説明をし、修正をするという作業を繰り返すことになります。だから言語化する習慣が身についているんですよね。さっきの話にもつながりますが、原稿としてアウトプットする前に、すでに自分を説明する言葉が内側にたまっているんです。
――本書ではさらに踏み込んで、休むことを推奨されています。山田さんにとって“理想の休み方”とはどんな状態ですか? 休むことってなかなか難しいようにも感じます。
寝転がって、天井を見つめることかなぁ。旅行することでリフレッシュできる方もいますが、遠出するのって結構体力がいる。旅行に行ったらそのあとに旅行疲れの休みがほしい(笑)。だから私は休むと決めたら、「お布団気持ちいいなぁ」と思いながらずっと天井を見つめてます。
――休むことに罪悪感がある場合はどうしたらいいのでしょう?
心身の不調で休まざるをえない経験を何度もしたので、最近は罪悪感はないのですが、以前は休んだら置いていかれそうで不安でしたし、自分の価値が無くなってしまうとすら感じていました。しっかり休む経験を経てわかったのは、自分の中にアンコントロールな領域があるってこと。自分のすべてを自らコントロールできると思ったら大きな間違い。どうにもならない部分は、無理にどうにかしようとしない、それに尽きるかもしれません。自分の中のアンコントロールな部分を受け止められたら、調子悪いときの自分もちゃんと自分の一部だと思える。
――自分のことは自分が一番わかっているはず、と思ってしまいがちですよね。
たとえば、調子が悪いときは大雨と一緒と思えばいいのかも。大雨の日って外に出られないですよね。自分ではコントロールできないことが自分の中にもあるって思えるようになるだけでずいぶん楽になると思います。私も以前は、雨に打たれるしかなくて、屋内にも入れず、大風邪をひいちゃっていました。だからこそ「こんな雨の日に外に出るのは無理だね。休もう!」って潔く諦める。若い頃はちょっとくらい雨に打たれてもすぐに復活する体力があったけど、今はそうはいかないですから。それから、休みが必要なのは自分だけではなく、他の人たちもみんな同じなんだと理解できると、まわりにも優しくなれます。
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- 文=高田真莉絵
撮影=平松市聖 - category
