#070 Kuta Beach
クタビーチ(インドネシア)
70年代のクタはフリー&イージーな空気に満ちていた
1万を超す島々からなるインドネシアの中で、首都があるというわけでもなく、特に面積が大きいわけでもないのに、最もポピュラーな存在なのが、バリ島。独立国だと思い込んでいる人がいるほど、その名は浸透しています。
今や不動の人気を誇るデスティネーションに成長したバリ島ですが、最初のリゾート地は60年代のサヌール。エリザベス女王やヨーコ・オノなどのセレブリティが訪れる、元祖隠れ家リゾートだったそう。
やがて70年代に入り、グッドウェイブを求めるサーファーたちがバリ島を目指し、クタ&レギャンにサーフカルチャーが開花。友人に見せてもらった当時の写真には、まだ未舗装のレギャン通りを、ボードを抱えたサーファーがバイクで二ケツ走行する様子が。いかにもフリー&イージーな空気が伝わってきました。
わたしが初めてバリ島を訪れたのは1997年のこと。当時はヌサドゥアに大型ホテルが続々と誕生し、ジンバランが新興リゾートエリアとして注目を浴び始めていました。その頃、わたしが拠点としていたのはクタビーチ周辺。
こんがらがったような細い路地に、埃をかぶったアクセサリーやビンタンTシャツを並べた土産物店、ワルン(地元向け食堂)やロスメン(安宿)がぎゅうぎゅうとひしめいているエリアです。
2015.11.14(土)
文・撮影=古関千恵子