今までのクタのイメージが変わる
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サーファーにとって絶好の波が打ち寄せる白い砂浜が広がり、バリ随一の繁華街もあることから、昔からたくさんの観光客を惹きつけてきたクタ。ガイドブックにも必ず登場する、バリ観光のまさに王道ともいえるエリアだが、騒がしい雰囲気が苦手だったり、心静かな大人な時間を過ごしたい人にとっては、「クタはちょっと……」という場所であったのも事実。しかし、最近のクタはちょっと違う。クタ・ビーチ沿いに北上したエリアが、今、大きく変貌しているのだ。
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ここ数年、落ち着いた5ツ星リゾートホテル、おしゃれなビーチカフェなどが続々と登場し、なかでもいちばんのアイコンとなっているのが巨大ショッピングモール「ビーチウォーク」だ。ひときわ目立つモダンでユニークな建築デザインは、2012年世界遺産にも登録されたバリ島の穏やかな棚田のイメージ。環境にやさしいエコ・フレンドリーな空間であることを重視して、南国らしい伝統的なアランアランのわらぶき屋根を巨大モールの屋根に使用するという斬新さだ。
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そのほかにもリサイクル木材を使っているほか、熱帯植物を植えたガーデン、美しい噴水や心地よい涼しさを感じる水路、さらに低層階には、潮風が吹き抜けるオープンエアの通路をつくり、エアコンの使用を減らすといった試みも取り入れられている。
text:Yoko Yoshida