しっかり相手の演技を受けることのできる俳優に!
――実生活では弟がいる兄なのに、これまで弟キャラが多かった高杉さんですが、今回は弟と妹がいる設定ということについては?
今までは、年齢的にもそういう役柄が多かっただけだと思います。でも、19歳になってくると、年下の方との現場やお芝居も多くなってくるので、今後はそれが楽しみになってくると思いますね。今回の現場では弟と妹がいるので、できるだけ僕の方から話しかけるように心がけたり、まずは敬語をやめようと言いました。これを機に、これまで先輩から学んだように自分から話しかけていって、人見知りの性格をなおしたいです(笑)。
――この主演ドラマにおける高杉真宙の見どころはありますか。
ここ最近、しかめっ面だったり、陰のイメージの強い役柄が多かったと思うのですが、今回の律くんは陽のキャラクターですし、心から優しいコというのは久しぶりかもしれません。だから、これ以降で、陰のイメージの強い高杉が変わっていけばいいかな、と思います(笑)。僕自身にとっても陽のキャラを演じることは大変な挑戦ですけれど、この律くんを演じきれば、何かが変わるかもしれないとも思っています。だから、律くんを純粋に見ていただけたらうれしいです。
――前回の取材では、松山ケンイチさんのようにアクションやコメディの演技もできるカッコいい俳優に憧れていましたが、現時点で高杉さんは近づけていると思いますか?
その後も、松山さんの作品をいろいろ観続けているんですが、どの作品でもそのキャラが実際に存在していると思ってしまうほど、なりきられているんです。そういう意味では僕はまだまだ役になりきれていないと思うので、それだけを考えてこれからも頑張っていこうと思っています。そして、しっかり相手の演技を受けることのできる俳優になりたい。『ぼんリン』では2カ月のリハーサルがあったから、その演技ができたわけで、あれを短期間でできるようになりたいんです。
高杉真宙(たかすぎ・まひろ)
1996年7月4日生まれ。福岡県出身。事務所にスカウトされ、09年に舞台「エブリ リトル シング’09」で俳優デビューし、映画・ドラマ・舞台・CMなどで活躍。主演映画『ぼんとリンちゃん』では「ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞を受賞。7月からはTBSドラマ「表参道高校合唱部!」も放送中。
「明日(あした)もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン~」
早川家の長男・律(高杉真宙)は、母・恭子(富田靖子)、弟と妹と穏やかで温かな日々を送っていたが、恭子が長期入院することで事態は急変。母に代わって台所に立つようになる律だったが、彼の出生の秘密が明らかになる。
東海テレビ制作・フジテレビ系にて、毎週月~金 ひる1時25分~現在放送中
原作:小沢真理『銀のスプーン』(講談社「Kiss」連載中)
http://tokai-tv.com/ashita_gohan/
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2015.07.24(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央