松本公演、大阪公演を経て、いよいよ劇団☆新感線『爆烈忠臣蔵』が東京へやってきます。各都市を笑いの渦に巻き込み、その度肝を抜かれる面白さに当日券で追いチケする人が続出しているというウワサ!

 今回、その『爆烈忠臣蔵』でお破(おやぶ)という役柄で縦横無尽に舞台を駆け巡っているのが、小池栄子さんです。小池さんといえば、数多くの有名演出家や監督から声がかかる超一流俳優のおひとり。彼女が出演する舞台やドラマは常に話題となり、観客や視聴者に圧倒的な存在感を残しています。その小池さんに今回で4度目となる劇団☆新感線への出演について伺いました。


観客に唯一無二の多幸感を与えられる劇団

――小池さんはこれまでも劇団☆新感線にご参加されていますが、この劇団の魅力を教えてください!

 観終わったあとの多幸感がほかのお芝居では感じられないものですね。まるでアミューズメントパークを訪れた帰りのような感覚です。劇場までの移動も含めると結構な時間になりますし、チケット代も決して安いわけではありません。でも、客席にいる間に圧倒的な満足感を得られる唯一無二の存在だと思っています。

――小池さんにとって、劇団☆新感線はどんな劇団ですか?

 以前「新感線のみなさんってアスリートみたいですよね」と古田さんに言ったら、「大谷(翔平)ぐらいのことはやっているつもりだぜ」と仰っていました(笑)。外側から観ていると派手だし楽しいし、出演者たちも楽しんでやっているように見えますが、基本的にアドリブはありませんし、いのうえ(ひでのり)さんの演出は本当に細かいんです。ほぼ、口立てに近いような感じです。

 あと、新感線の舞台は音を使った演出がとても多いので、この「カーン」という音のときに振り返るとか、そういうのを毎日覚えていかないといけないんです。観ている方にとっては流れるように進んでいるでしょうし、時にアドリブのように聞こえると思いますが、それはすべてお稽古の積み重ねなんです。それは初めて参加したときに知って、本当にびっくりしました。

 最初に参加したときから私も年齢を重ねたので、特に今回はアスリート意識を持って、いいパフォーマンスを日々届けられるようにしたいと思っています。

――ご出演する側として、今作に関して「こんなところが楽しい!」というポイントを教えていただけますか?

 今回の私の役はお客様が私目線でストーリーを追っていける役です。脚本を読んだときに受けた役の雰囲気は小学5、6年生くらいの女の子という印象で、彼女が取る行動は目的に対して一貫して真っ直ぐ進んでいくので、演じるほうとしてはとても演じやすい役柄だと思います。

 お話も分かりやすいですし、何よりもお芝居が大好きな方たちが揃っています。この作品は劇団を長年支えてくださっているファンの方々に向けて、中島かずきさんからのラブレターでもあり、感謝がたくさん詰まった内容だと思うんです。「僕たち劇団☆新感線はこれからもバカバカしいことをやっていきます!」みたいな決意表明でもあるので、必ず楽しめる内容だと思います。

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