忠臣蔵や歌舞伎を知らなくても大丈夫! 劇団☆新感線の真髄を演舞場でぜひ味わって
――今回は『爆烈忠臣蔵』というタイトルからも分かるように忠臣蔵がテーマになっていますが、ポスターの小池さんは大石内蔵助の扮装ですね!
母親には「どこにいるのか分からない」と言われました(笑)。この扮装で舞台に出てきても観客の皆さんはしばらく気が付かない可能性もあるかも。でも(中島)かずきさんが仰っていたのですが、本来の忠臣蔵の内容はそれほど重要ではないんです。
――なるほど。忠臣蔵のお話を知らなくても大丈夫ですか。
そうですね。お破は橋本じゅんさん演じる父親に教えられた「歌舞伎役者とは、仮名手本忠臣蔵とは何か」という世界観だけを持って芝居の世界に飛び込んできているので、本当に歌舞伎に詳しい方が私の大石内蔵助を観たら、多分「違う!」と思われると思います(笑)。でも、お破は父親に教えられたことだけを信じてやっているので、そのヘンテコさみたいなものを楽しんでいただけたら。
――父親役の橋本じゅんさんとは初めての親子役だと伺いました。実際にお稽古や舞台の上でどんな印象を持たれましたか?
エネルギッシュなところは似ているんじゃないかと思います。じゅんさんのお芝居はとても好きですし、私も基本的にはエネルギッシュにやるタイプなので。稽古のときに「じゅんさんだったら、このときどういう顔をしますか?」と伺ったら、手取り足取り細かく教えてくださり、「ああ、良い方を親父様に持ったな!」と改めて感じました。
――劇団☆新感線の公演に定期的に出演されることが、ご自身のお芝居にとってどんなプラスになっていると感じられていますか?
新感線の方々は最高に面白いので、すごく緊張します。この方々に「つまんない」と言われたら、立ち直れないと思うくらい。ベタなことで笑いを取るのはすごく難しいことなので、定期的に呼んでいただくと芝居の基本的で大切なことを思い出します。
「お前、何かっこつけとるんや!」という感じで、自分が纏ってきたものを先輩たちに剥がされている感覚ですかね。「ボソボソしゃべる、ナチュラル芝居なんかいらんねん!」と言われているみたいな(笑)。オシャレぶっていたこの数年間の自分を素に引き戻してくれる貴重な場所だと思います!
小池栄子(Eiko Koike)
1980年11月20日生まれ、東京都出身。1998年にドラマデビュー。主演映画『接吻』(2008年)での演技が評価され、第63回毎日映画コンクール女優主演賞を始めとして、多数の賞を獲得。以降、映画では『八日目の蟬』『記憶にございません!』、ドラマでは『鎌倉殿の13人』『新宿野戦病院』などの話題作に出演し、幅広い役柄を演じてきた。2011年『髑髏城の七人』で劇団☆新感線に初参加。『ラストフラワーズ』(2014年)、『Vamp Bamboo burn~ヴァン!・バン!・バーン!~』(2016年)、に出演し、圧倒的な存在感と演技力で観客を魅了。シリアスからコメディまで幅広く演じる高い演技力に多方面から信頼が厚い。45周年記念公演『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』は久々の新感線出演となる。
2025年 劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演
チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎
『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』
出演:
古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし/小池栄子/早乙女太一/向井理 ほか
【東京公演】 新橋演舞場
11月9日(日)~12月26日(金)
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- writer
- staff
- 文=前田美保
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=山口公一(SLANG)
スタイリスト=えなみ眞理子 - INTERVIEWEE
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小池栄子
