初主演ドラマに対するプレッシャーと想い

――さて、現在放送中の「明日(あした)もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン~」。ドラマ初主演ですが、映画初主演だった『カルテット!』のときとは心境は違いますか?

 映画の場合、お客さん自身が映画館まで観に来てくれるわけですよね。つまり、それは何かしら興味があるわけで、なんとなくでも僕のことを知ってくれている。でも、ドラマって、そういうことを抜きにしても観ることができるんですよね。つまり、まったく僕のことを知らない人に評価してもらうもの。そのことに関しては怖いです。でも、これを機に僕を知っていただくチャンスでもあると思っています。

――主演として、現場で何か心がけていることはありますか?

 今まで僕も主演の方に引っ張ってもらっていましたから、常に自分が引っ張っていかなきゃいけないとは思っています。でも、急にそんなことできるのかな、という不安もあって、いざその立場に立ってみると、やはりなかなか難しくて……。まだまだ富田(靖子)さんを始め、みなさんに引っ張ってもらっている感じがします。でも、僕なりに明るく元気に現場に入るということを心がけています。それだけのことで、現場の雰囲気は大きく変わると思いますから。

――少女マンガ好きでもある高杉さんとして、原作コミックを読んだ印象はどうでした?

 僕が今まで読んできたのは恋愛要素の強いものばかりだったんです。だから、家族愛がテーマの『銀のスプーン』は、どうやって物語が進んでいくんだろうと想像ができませんでした。だから、読んだときに独特な優しさが伝わってきて、そこにどんどん引き込まれて、一気に読んでしまいました。自分の役作りのためだったのに、最後は普通に一読者として楽しませてもらいましたし、出てくる料理を実際に作りたくなりましたね。

2015.07.24(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央