丁寧なエゴイストを目指す

――先日30歳の誕生日を迎えられましたが、俳優としての将来の目標を教えてください。

 たとえば、傍若無人なエゴイストでも、めっちゃ巧い芝居ができれば、ここは許される世界だとは思うんです。でも僕はまだまだそこにはいけていませんから、丁寧なエゴイストでありたいと思っています。エゴって、持っていないとダメだと思うんですけれど、その伝え方を間違えてしまうと、とんでもないことになってしまう。だから、ちゃんと丁寧に伝えていきたいと思います。

――演じてみたい役柄や組んでみたい監督など、具体的な夢はありますか

 まずは主演として、三池監督もそうですし、いろんな監督さんと仕事がしたい。それにプラスして、ゴールデンタイムでも主演を張れるような俳優になりたい。それが叶ったら、どんどんいろんな方向に視野を広げていきたいと思います。そして、型にハマらずに監督さんやプロデューサーさんから「どうなるか分からないけれど、青柳にやらせたら面白そう」と思われるような俳優になりたいですね。

――最後に、仕事で忙しいなか、リフレッシュされるために行っていることがあれば教えてください。

 家で一人飲むことも多いので、お酒ですかね。年齢のせいか、最近は翌日までちょっと残るようになったので、飲む量は減ってきましたけれど、まったく飲まないよりは調子がいいんですよ(笑)。

青柳翔(あおやぎ・しょう)
1985年4月12日生まれ。北海道札幌市出身。06年、「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006」の応募をきっかけに俳優の道に進む。09年に「劇団EXILE」メンバーになり、映画・ドラマなどで活躍。13年には第22回 日本映画批評家大賞 新人賞(南俊子賞)を受賞。

『極道大戦争』
不死身と噂されているヤクザ・神浦玄洋(リリー・フランキー)に憧れ、神浦組に入った亜喜良(市原隼人)。敏感肌で入れ墨が入れられない彼は若衆のアンガス(青柳翔)らから見下されるが、暗殺者によって命を狙われた神浦に首元を噛まれてしまう、神浦からヤクザ・ヴァンパイアを受け継いだ亜喜良は覚醒し、毘沙門通りはパニックに陥ることになる。
2015年6月20日よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国公開
(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
http://www.gokudo-movie.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2015.05.29(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央