今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

葛粉

マクロビオテック食材「葛粉」の写真

 葛は葛根湯の原料ともなる、食べるお薬。一年を通して毎日でも食べていただきたい食材です。マクロビ的には体を温める効果のある葛を、お料理やお菓子作りに多用します。

 本葛は100g 700円程度しますが、体を温めることで免疫力を高め、健康にもよく、また新陳代謝が高まることで美肌作りをサポートしてくれる、美容にもいいサプリメントです。1キロ 5,000円弱でお得に購入できるサイト(外部サイト)もあり。食欲のない時には、消化のいい葛をお湯で練り上げた葛練や葛湯で体調を整えます。その際の味付けは、体を冷やす白砂糖は使わずに、お味噌や醤油、塩などを。

 ねぎや生姜を入れるとおいしいスープにもなりますよ。

醤油

マクロビオテック食材「醤油」の写真

 醤油は味噌と並ぶ日本の発酵食品です。天然醸造のものと混合醸造のものがあり、天然のものでは熟成に1年以上の時間がかかりますが、混合醸造のものは短期間で製品化するために風味に欠け、その分砂糖や人工甘味料、化学調味料などを添加して味を調えているものがほとんどです。天然醸造のものは醤油自体に旨みがあふれているうえ、胃腸を整える働きや防腐効果を持っています。値段は多少高くなりますが、中には原料となる大豆や麦を有機栽培に、使用する塩を自然塩にするなど商品づくりにこだわったものも出ているので、予算に合わせて是非本物の醤油を使うようにしてください。質の良い調味料を揃えることで料理の仕上がりが変わってきます。

干しシイタケ

マクロビ食材「乾シイタケ」の写真

 水で戻した干しシイタケはお料理に合わせた大きさにカットして具材として使用。ヘルシーなのに、ニンニクやねぎ類などと合わせるとお肉のような旨みを出してくれる食材です。また戻し汁は出汁として使用。これは、マクロビ的には、たまった動物性脂肪やコレステロールを溶かす効果があると言われています(昔から茶碗蒸しには干しシイタケが使われることからも納得ですね!)。旨みもたっぷりなので、捨てずにお料理に使うようにしましょう。使いきれずに残った戻し汁は冷凍も可、またお味噌汁などの出汁にプラスしても◎。

自然塩

マクロビオテック食材「自然塩」の写真

 マクロビ的にお勧めなのは、低温で蒸発、結晶化させ、にがりを落とした精製されていない自然な海の塩です。海水の成分には塩化ナトリウム以外にマグネシウムやカルシウムなどをはじめ90種類以上ものミネラルが含まれています。人間の体の70パーセントを占める水分、この体液と血液の成分は限りなく古代の海水の成分に近いことからも、ミネラルを含んだ海の塩は必要な成分であると考えられています。

 塩化ナトリウムの純度が高い化学的に精製された塩は、体に負担をかけるだけでなく、味わいも単調です。減塩を心掛けている方は特に、少量でも味わい深い仕上がりになる自然塩がお勧めです。

地粉

マクロビオテック食材「地粉」の写真

 国産の小麦粉のことです。輸入物の小麦粉のようにポストハーベスト(作物の収穫後に防腐・防カビなどを目的に使用される農薬)の心配がありません。また漂白もされていないので真っ白ではなくナチュラルな色合いです。日本の多湿な気候風土上、外国の小麦よりも含まれる水分量が多いため、パン作りなどの際にはレシピの水分量を調整する必要があります。蒸しパン作りやケーキ、クッキー作りには薄力粉を、うどんや餃子の皮などは中力粉、パンやピザには強力粉と用途によって使い分けするのは他の小麦粉と同様です。またオールベジの私のお料理では水で溶いた地粉を、揚げ物の衣付けとして溶き卵の代わりに利用したりもします。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

自分にも地球にも優しい
「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2015.03.13(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平