穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。

「かぶ」の粕漬け

 甘酒を使った、簡単な粕漬け風の漬物レシピをご紹介します。材料を合わせて漬けこむだけの作業で、自家製の無添加のお漬物を作ることができ、おすすめです。

 マクロビ的に苦味に分類されるかぶに、辛みに分類される生姜を合わせることで、かぶの心臓を労わる効果が高まります。また、加熱調理をしないことで消化酵素のジアスターゼ(炭水化物の消化を促進する)とアミラーゼ(デンプンを分解する)を壊すことなく取り入れることができるため、ご飯のお供にぴったりのレシピです。

 瑞々しいかぶが手に入ったらぜひ試してみてくださいね。

【旬の食材】かぶ

 「かぶ」は、根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜に分類される栄養価の高い野菜です。昔から天然の消化薬と呼ばれ、胃腸を温めて冷えからくる腹痛を和らげると言われてきました。

 大根と同じく根の部分には炭水化物の消化を助けるジアスターゼが、加えてデンプンを分解するアミラーゼという酵素が含まれています。これは加熱することで失われてしまうので、消化促進効果を取り入れるにはサラダやピクルス、すりおろしなどにして生で摂ることがおすすめです。

 また、ビタミン類やカルシウムなどのミネラルが豊富な葉も、くせがなく他の葉野菜と同様においしくいただけます。お浸しや炒め物、スープ、パスタの具材など色々な料理に使用しましょう。

 マクロビ的には苦味に分類される食材で、心臓や小腸を労わると考えられています。心臓は生まれてから死ぬまで休むことなく動いている働きものの器官。休みたくても休めない心臓のケアとして、おいしいかぶのお料理で労わってあげてくださいね。

2015.03.26(木)
文=中村恭子
撮影=秋元良平