4_怖いくらい高い「高過庵」

そして、低過庵のある敷地内にもともとあった茶室が「高過庵(たかすぎあん)」です。2本の栗の木の上に建てられたツリーハウスならぬツリー茶室で、2004年に藤森氏が個人的に制作したもの。
高さは6メートル。中には湯を沸かすための炉も設けられています。
5_東京から移設、再建築した「五庵」

神長官守矢史料館や高過庵などのあるエリアから、県道16号を挟んだ逆側にあるのが「五庵」です。住宅が並ぶエリアの空き地のような場所に突如現れる風変わりな茶室です。これは東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、東京で開催されたイベント「パビリオン・トウキョウ2021」のパビリオンのひとつとして作られたもの。
会期終了後に解体されましたが、藤森氏が材料の一部を引き取り、2022年に今の場所に再建築されました。イベント時には基壇を覆っていた芝生がなくなり、巨岩に変わるなど、見た目の印象は当初とは少し異なりますが、藤森建築らしさは健在です。
2025.10.06(月)
文・写真=石川博也