(3)直木賞候補作! たった一言が原因で、歪んでいく家族の物語
サスペンスを得意とする著者の魅力が詰まっている、最新文庫『クロコダイル・ティアーズ』。大事な一人息子が殺害された老夫婦。その傷を癒そうとしていたときに、息子の嫁・想代子の元恋人が捕まり、「想代子に夫の殺害を依頼された」と発言します。息子を殺したのは、「あの嫁」なのか? 疑ったら最後、もう家族には戻れない。ファミリーサスペンスの最高峰といえる今作。
「『あとから加わった家族』をめぐる複雑な人間心理を克明に描き出した本作は、読む人に『嫁の本性を見破れるか』を問いかけます。たった一言がきっかけで歪んでいく家族の姿に、ゾクゾクが止まらない傑作です」(文藝春秋 北村淳子)

(4)仕事や職場を変えるのが当たり前の時代だからこそ
若くして取締役に登り詰めた鹿子小穂が、企業の裏側で暗躍する「引き抜き屋」として新たな道を歩む物語。企業の機密と人間の野心が交錯する経済サスペンスが、WOWOWの連続ドラマで鮮烈に映像化され話題に! 現代の転職文化を背景に、雫井脩介が描くスリリングな人間ドラマの魅力を聞きました。
「転職は『引き抜き屋』――と、誰かにささやきたくなる!? 仕事や職場を変えるのが当たり前になった時代だからこそ、あらゆる人に“刺さる”とともに、業界の裏側を知ることができる作品」(PHP研究所 大山耕介)

2025.08.22(金)
文=「文春文庫」編集部