この記事の連載

 ベッドやソファでくつろぎながらマンガを楽しむなら、やっぱり便利なのがスマホやタブレットで手軽に読める電子マンガ。最近は作品数も紙のマンガを遥かに凌ぐ充実ぶりで無料で読める作品も多く、ついつい夜ふかししてしまいますよね。

 そこで、「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」では、4つの人気電子書籍ストアの書店員の皆さんに、それぞれの「電子コミック部門」ベスト3を選んでいただきました!

 今回は、ebookjapan書店員で、「ebookjapanマンガ大賞」なども担当する信太祐介さんが推薦するベスト3をご紹介します。


Q1 「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」【電子コミック】部門ベスト3は?

●第1位『天国での暮らしはどうですか』中山有香里/KADOKAWA

 SNSで人気を博している「天国シリーズ」を単行本化。“あの子はどこにいったんだろう。案外近くにいるんだろうか――”現役看護師でイラストレーターの中山有香里さんが描く、あたたかく胸に迫るペットや人間たちの「その後」の物語。

信太さん推薦コメント

「天国へ旅立ってしまった愛猫・愛犬たちと、その飼い主たちとの深い絆を描いたショートストーリー集です。悲しい別れのあとも、あの世からかつての飼い主を思いやる様子が愛嬌たっぷりに描かれ、その健気な姿に終始涙が止まりませんでした。

 この物語は「あの子のいる場所がどうかあたたかく優しい場所でありますように」という作者の願いから生まれたそうです。動物を飼ったことがない方でも、この無償の愛にあふれた世界にきっと心を打たれることと思います」

●第2位『マキナにおまかせ』ベン・グッドマン/リイド社

 ユーザーのあらゆる質問に答え、悩みに寄り添い、正確無比な助言をくれる人工知能・マキナ。仕事に趣味に健康管理、みんなのそばにはいつだってマキナがいて――。小さな日常を通して文明の未来と人間のリアルを照射する珠玉の連作SF。

信太さん推薦コメント

「人工知能『マキナ』が人間の相談相手として日常に溶け込んでいる世界。願いを叶えるべくマキナに助言を求める登場人物たちと、その顛末がシニカルに描かれていきます。

 いまやAIのある生活は現実のものとなりました。答えがあれば人は幸せになれるのか? そんなお題を読者に突き付けてくる作者の鋭い視点が光るとともに、AIとの付き合い方を考えさせられるタイムリーな作品です」

2025.10.16(木)
文=CREA編集部