●第3位『クールなふたりは見かけによらない』道雪葵/祥伝社
「デキる男」オーラ満載なのに、びっくりするほど仕事ができない多田野は、ある日、「氷の帝王」こと氷鷹社長にコーヒーをかけてしまう。落ち込みながら立ち寄ったスーパーで、買い物中の氷鷹に遭遇。実は、クールで完璧に見える氷鷹は、まったく家事ができなくて――。二人のギャップから目が離せない、愛すべきポンコツ物語。
信太さん推薦コメント
「仕事のできない多田野くん&家事のできない氷鷹社長のでこぼこコンビが織りなすオフィスコメディ。なんといってもこの作家さんのワードセンスが抜群! 冴えわたるツッコミの連続で、怒涛のように笑いが押し寄せてきます。ほっこり感もあり、この世界に永遠に浸かっていたい作品です」
Q2 信太さんが夜ふかしして読んだ作品は?
●『地図にない場所』安藤ゆき/小学館
「幼いころ、大好きな本にめぐりあった時のときめきがよみがえってくるような感覚を覚える作品です。コンプレックスに悩み中学生で人生を投げ出しかけていた少年・悠人と、世界的バレエダンサーを引退して帰郷した隣人・琥珀。再会をきっかけに、やがて近所のどこかにあるという「地図にない場所=イズコ」を探す小さな冒険の日々が始まります。
琥珀との交流を通じて、少しずつ変わっていく悠人。その葛藤と成長が瑞々しく描かれていきます。ずっと尾を引いてしまうようなすれ違いや言葉にできない想いが丁寧に描写され、甘いだけのフィクションにとどまらない物語が、かえって私たちに勇気を与えてくれます。
この作品を『大人のための児童文学』と表現しても許されるでしょうか。読後には、楽しかった夏休みが終わってしまったときのような、充足感と切なさが入り混じった気持ちが余韻として押し寄せてきます。一息には語り尽くせない魅力が詰まった作品。ぜひお手に取ってみてください」
Q3 マンガを読む時のマイルールやルーティンは?
「傍らにはいつもビールが……。10代の頃のようにコーラに戻したいです」
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- 文=CREA編集部
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