この記事の連載

 ベッドやソファでくつろぎながらマンガを楽しむなら、やっぱり便利なのがスマホやタブレットで手軽に読める電子マンガ。最近は作品数も紙のマンガを遥かに凌ぐ充実ぶりで無料で読める作品も多く、ついつい夜ふかししてしまいますよね。

 そこで、「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」では、4つの人気電子書籍ストアの書店員の皆さんに、それぞれの「電子コミック部門」ベスト3を選んでいただきました!

 今回は、ブックライブでのレビュー「月刊 書店員すず木」も大人気の書店員すず木さんが推薦するベスト3をご紹介します。


Q1 「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」【電子コミック部門】ベスト3は?

●第1位『本なら売るほど』児島青/KADOKAWA

 ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もさまざまなお客が訪れる。本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。

 ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく――。本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ。

鈴木さん推薦コメント

「本を通じて人々の心の交流や成長を描いており、本好きの人々にとって共感できる内容が詰まっています! 読み終わる頃には『本探しに出かけたい』と思わせる魅力があります。

 電子コミック部門であえておすすめさせていただきましたが、電子書籍の良さ紙書籍の良さ……「どちらが」ではなく両方とも素晴らしい読書体験であると思っています。そんな自分自身の読書体験を、もっと大切にしたくなるような作品です」

●第2位『165185』野良おばけ/KADOKAWA

 高校の卒業式の日、日下部誠(くさかべ まこと)は同級生の遠山聖(とおやま ひじり)に告白する。遠くで見ているだけだった憧れの人。彼に想いを伝えたことだけで充分だったはずの告白。しかし、それは、なぜか成功して―――。

 少しずつ距離が近づいて、少しずつお互いのことを理解していく。165cm×185cmの身長差カップルの幸せ生活。

鈴木さん推薦コメント

「主人公ふたりの身長を合わせたタイトルになっている、BL作品。体格的には聖の方が大きくBLでは攻めとなりがちですが、誠の咄嗟に出る彼氏らしさに心鷲づかみにされます。

 マンガでありながらまるで映画を観ているかのようなカメラワークにも注目していただきたいです。初々しいふたりの何気ない日々がゆっくりと流れる様子は心地よく、尊いが詰まっています」

2025.10.16(木)
文=CREA編集部