かつて歩いた道と違う……
海沿いの道に出ると、宿はもうすぐそこ。けれど、どういうわけか、かつて歩いたはずの道が、記憶とまったく重なりません。
ツーリストの増加にともなって、開発が進んだせいなのでしょうか。
宿のスタッフに聞いたところ、2018年夏に発生したロンボク島地震の影響で多くの建物が倒壊し、その後に再建されたのが、現在の西海岸の姿なのだそう。
ロンボク島北部を震源とするこの地震は、最大マグニチュード6.9。複数回の揺れが続き、当時はライフラインが一時停止し、ボートの運航もストップ。
ツーリストも島民も被災し、建物の倒壊を恐れて屋外で夜を過ごした人も。国内のボランティアや地元の人々がSNSなどを通じて呼びかけたことで、水や食料の寄付、分配などがスムーズに行われたことも、ニュースで取り上げられたそうです。
再建された町だからか、西部の海岸線には多くの大型リゾートが並んでいました。ここまで風景が変わったということは、それだけ当時の被害が深刻だったということなのでしょう。



そして、もうひとつ思いがけないショックなことが!
あの、ギリ・トラワンガンの代名詞とも言えるパーティーが……やっていなかったのです。
訪れたのは、木曜日。イスラム教の集団礼拝(ジュムア)の前夜にあたるこの夜は、週に一度だけパーティーが開かれない“静寂の日”だったのです。1泊しかしないので、あぁ無念!
ちなみに、パーティーはハーバーのある東海岸の方が盛り上がるそうで、「ザ・ジャングル・バー」がそのメインスポット。西海岸では「ラビット・ジャンプ」が人気だそうです。




2025.07.26(土)
文・撮影=古関千恵子