#329 Gili Air(ギリ・アイル、インドネシア)

モルディブにリゾートが誕生しはじめた1970年代、ヨーロッパの富裕層は“あるがままの南洋の自然”を求めて訪れたといいます。当時は海水シャワーが当たり前で、むしろそれを“非日常”として楽しんだとか。
10年ほど前、ギリ3島のひとつ、ギリ・トラワンガンを訪れた際、シャワーの水に塩分が混じっていて、浴びた後も肌がべたべた。「これを楽しめなくては、アイランダーとは呼べないよなぁ」と思いつつも、温水でなくてもいいから、せめて真水であれと願ったものです。
自然が優勢な島ほど、水回りを期待してはいけない。そう思いこんでいたのですが、ギリ・アイルは違いました。島の名前からして、地元の言葉で“水の島”という意味。もともと井戸があり、真水に恵まれているうえ、ロンボク島に近いことから海底のパイプで真水が供給されるのだとか。これは快適に過ごせそう!

さらに、ギリ・アイルにはギリ3島で唯一SLH(スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド)に加盟したヴィラがあります! これまでの経験から、SLHのメンバーは独立系の上質な宿ばかり、まずハズレがありません。
2025.07.12(土)
文・撮影=古関千恵子