#328 Gili Air(ギリ・アイル、インドネシア)

バリ島とロンボク島の間には“ギリ3島”と呼ばれる3つの島が点在しています。
地元ササック族の言葉で“ギリ”とは“小さな島”。バリ島側から順にギリ・トラワンガン、ギリ・メノー、ギリ・アイルの、3つの小さな島々が浮かんでいます。
この島々に人が定住したのは1970年代頃から。そして1980年代に入ると、その素朴な魅力に惹かれてバックパッカーたちが訪れ始めました。


私が初めてギリ・トラワンガンやギリ・メノーへ旅したのは2000年代のこと。
当時からギリ・トラワンガンは“パーティーアイランド”と呼ばれ、ギリ3島の中心的存在でした。一方、ギリ・メノーは自然が主役のリゾートが数軒ある以外は他にほとんど何もなく、浅瀬のサンゴの美しさが際立っていたのを覚えています。
今回は、3島のうち未踏だったギリ・アイルへ。一体どんな島なのでしょう?
バリ島からギリ3島へ向かうには、バリ島東海岸のサヌールまたはパタンバイの港から高速フェリーで行くのが一般的です。今回はパタンバイから向かうことにしました。
ギリ3島へ行くのは3回目ですが、残念ながら毎回スケジュール通りにたどり着いたためしがありません。フェリーの予約票に「出港の1時間前にくるように」と明記し、几帳面なところを見せつつも、実際には1時間半遅れの出航。もしや高額なフェリーを選べば、こんなことはないのでしょうか?

パタンバイからギリ・トラワンガン→ギリ・メノーと経由して、約2時間後にギリ・アイルに到着。
港では、宿泊先「ヴィラ・トカイ」のスタッフが出迎えてくれ、ロバの馬車「チドモ」に乗せてくれました。
チドモとは、ギリ3島での主要な交通手段のひとつ。条例により自動車の通行が禁止されているため、島内の移動はチドモ、自転車、ハイブリッドバイクに限られます。


「ヴィラ・トカイ」については、次回詳しくご紹介しますが、ギリ3島で唯一、スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)に加盟している宿です。かつてバックパッカーが主流だったこの島に、SLHの宿が誕生したことが嬉しくて、今回ここに滞在を決めました。
2025.06.28(土)
文・撮影=古関千恵子