“いいトコ取り”のギリ・アイル

 かつてギリ3島へ訪れた時、一番のネックだったのが、水問題。10年前ですが、リゾートでも塩水シャワーしかなかったのです。その点、ギリ・アイルは淡水の水源があり、かつロンボク島に近いことから海中パイプで水が供給されているとか。ササック族の言葉で“水の島”と名付けられたほど、水が豊かです。

 今ではギリ・トラワンガンも大きなリゾートではろ過装置を導入するなど、改善されているようです。

 ギリ・アイルは、賑やかなギリ・トラワンガンと自然が主役のギリ・メノーの、ちょうど“いいトコ取り”をした感じ。ほどよくレストランやショップがあり、ほどよく何もない、のんびりとした島暮らしが味わえる。若者ばかりでなく、三世代で訪れているファミリーも見かけたのが印象的でした。

 夕暮れ時、ヴィラ・トカイのプールに浸かっていると、潮騒に重なるように、イスラム教の礼拝を告げるアザーンが聞こえてきました。バリ・ヒンズー教が根付くバリ島とは違う島にやってきたことを、改めて実感した瞬間です。

ギリ・アイル

●アクセス バリ島のパタンバイからフェリーで約2~2.5時間。サヌールからは約3時間。
●おすすめステイ先 ヴィラ・トカイ
https://www.slhhotels.jp/hotels/villa-tokay/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram @chieko_koseki

Column

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2025.06.28(土)
文・撮影=古関千恵子