内診の痛みを軽減するコツ
受診するのが確実で、治りが早いのはわかってはいても、どんな検査をするのか不安で、なかなか足を運べないという人も多い。
「性交渉の経験があり、かゆみを訴える場合には、おりものの状態を診たいので内診台に座っていただき、クスコと呼ばれる器具を膣に入れ、膣内を広げて診ます。内診が苦手な方は脚を閉じてお尻を持ち上げてしまうのですが、その体勢だと膣が締まって余計に痛みを感じやすくなるので、深呼吸をして力を抜きましょう。
内診で使う金属製の器具「クスコ」
膣内に入れておりものの状態を診たり、膣カンジダなどおりものに菌がいる場合は、クスコを挿入して膣内の洗浄をしたりする。
クスコにはサイズが複数あるので、問診票に『内診が苦手です。小さい器具を使ってください』と書いておくと安心かと思います」
不安は伝えて大丈夫。症状を長引かせないためにも、婦人科と上手に付き合っていきましょう。
●かゆみで疑われる病気
接触性皮膚炎
主な症状
□ ナプキンや下着が当たる部分に、赤みやかゆみが出る
□ 菌は検出されない
膣カンジダ
主な症状
□ ぽろぽろした塊状のおりものが出る
□ 灼熱感や厚ぼったい感じのかゆみが出る
トリコモナス膣炎
主な症状
□ 泡立つようなおりものと強いかゆみが出る
性器ヘルペス
主な症状
□ かゆみだけでなく痛みやしみる感じがある
□ 外陰部に水疱や潰瘍ができる
●できもので疑われる病気
毛嚢炎
主な症状
□ 毛穴のあるところにできものや腫れができる
□ 表面が赤くなったり痛みがあったりする。ひどくなると破裂して膿が出る
尖圭コンジローマ
主な症状
□ 顆粒状や鶏のトサカ、カリフラワーのような突起ができる
梅毒
主な症状
□ 痛みのないしこりや硬いイボのようなできものができる
□ バラ疹と呼ばれるピンク色の発疹が手のひらや足の裏、顔など全身に現れる
2024.12.23(月)
文=今富夕起
イラスト=竹井晴日