猫を撫でまわしたくなる小説

『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹

 法律事務所を辞めた「僕」と、雑誌編集者のクミコ。平穏な生活を送る夫婦の奇妙な運命を描く。

「主人公が飼っていた猫の失踪から物語は始まり、猫を捜しながら、現実と幻想が交錯する不思議な世界に至ることに。猫好きを公言している作者ならではの猫の描写がとても優しくてリアリティがあり、私にとって本書は、読むと猫を撫でまわしたくなる小説の一つ」

2024.08.28(水)
文=高田真莉絵

CREA 2024年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

猫のいる毎日は。

CREA 2024年夏号

猫のいる毎日は。

定価950円

人生に大切なことを猫は全部知っています。過去や未来ではなく、いまを生きること。必要なときに食べ、好きなときに眠ること。人に気を使いすぎないこと――。そう、猫は最高! それにしても、私たちはなぜこんなにも、この不思議な生き物に魅了されてしまうのでしょうか。1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。