谷崎潤一郎が描く猫の描写はまさに絶品
『猫と庄造と二人のをんな』谷崎潤一郎

「猫好きであった谷崎潤一郎が描く、猫の描写はまさに絶品。主人公の庄造が飼っているリリーは、飼い主を手玉にとるのだが、その様子は小悪魔的で、読んでいると恋をしそうになってしまうほど。さらに、そこに庄造のことを愛する女性がやってきて、人間が猫に嫉妬し、醜態をさらす様が描かれている。谷崎の時代から、猫に人間が振り回されるのは、変わらないのだ!」
2024.08.28(水)
文=高田真莉絵
CREA 2024年夏号
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