日本文学の歴史は、猫文学の歴史だったのかもしれません。そう思わされるほどに、すぐれた小説に猫はつきものです。壮大な物語にも、男女の痴話喧嘩にも、いつだってストーリーの中心に猫がいます。
書評家の三宅香帆さんが、猫が登場する文学作品5つをご紹介(「CREA」2024年夏号より一部抜粋)。
猫好きなら絶対に幸せな気分になれる
『耳猫風信社』長野まゆみ
11才になった主人公「ぼく」は、日記帳を買おうと決意し、境界を越えてとなり町へ向かう。そこで出会ったのは、変わった目の色をした少年「カシス」、そして不思議な文具店「山猫の店」だった。
「猫の世界をファンタジックに描いた本書。素敵な喫茶店やパン、お菓子の描写にもうっとりするだろう。猫好きの方なら、読むと絶対に幸せな気分になれるはず!」
2024.08.28(水)
文=高田真莉絵