●大きな転機となった鈴木福との共演

――19年には「第61回日本レコード大賞」を受賞するほか、その年の「NHK紅白歌合戦」にも出場されました。

 実質3年間の活動で、自分自身の生活は明確に変わらなくても、自分を取り巻く環境みたいなものが大きく変わっていった感覚はありました。街を歩いていると、自分の歌が流れてくることもありますし、小学生から中学生になるタイミングだったので、とにかく目まぐるしかったです。

 それまで、舞台をやっていても、お客さんと密に接することはなかったので、とても不思議な感覚でした。当時出ていたTV番組に関しては、今になってその凄さに気付かされている感じです。

――20年以降は、コロナ禍になったことで活動の制約もあったかと思われます。

 コロナ禍になった後、21年9月のグループ解散まで、ファンの方としっかり交流できるイベントができなかったことは悔しかったですね。僕たちがみなさんを元気にしなければいけないのに、いただいたファンレターに元気づけられたこともありました。今もファンレターをいただけることは嬉しいですし、何年経っても残る音楽の力って、凄いなぁと思っています。

――「Foorin」の活動と同時に、「ドラえもん」のスネ夫役を演じられた「ソフトバンク 5G」のCMなど、俳優としての活動も増えていきます。

 「Foorin」としての3年間で精神的に変化というか、成長していったと思うんです。「今後も、このお仕事をやっていくんだ」という気持ちになりました。その「ソフトバンク」のCMでは、のび太役の鈴木福くんと共演したんですが、僕の2歳年上とは思えないほど、とても落ち着いていて、しっかりされていたんです。そのときに、「もっと、ちゃんとしなきゃといけない」ということに気付かされました。これも大きな転機でした。

2024.07.26(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖