柳葉敏郎の性格を探る
一世風靡セピアは1989年に解散してしまったが、ギバちゃんはその凛としたルックスと誠実な佇まいを活かし、以降もドラマに引っ張りだことなった。
1980年代後半から1990年代のトレンディドラマでもご活躍だったが、私のなかではどうしてもその後の『踊る大捜査線』シリーズの室井慎次役や『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の黒田先生役のインパクトが強く、ずっと真面目かつストイックな上司のイメージだ。
本当のギバちゃんは、しっかり室井系かヘラヘラ梅吉系、どちらなのだろう――。興味が湧きウィキペディアをのぞいてみると、こんな性格の説明が掲載されていた。
・基本的に明るくほがらかで、少々子供っぽくはしゃぐこともある
・芸人を食うほどではない程度のオヤジギャグを連発する
・ギャグを発する際、自分で言ったギャグに自分で受け、勝手に笑うという独特な感性を持っている
彼のギャグに対しての姿勢についての説明が多くて驚く。「芸人を食うほどではない」という絶妙な按配のギャグセンスにバランス感覚のすばらしさが窺える。自分でギャグを言い、自分で笑う点に関しては、まさに地産地消の精神。最高にSDGsではないか。
ヤダ最高……。あくまでウィキペディアレベルの不確かな情報だと己に言い聞かせつつも、私はさらにギバちゃんが好きになった。
梅吉の無邪気さは、彼の内側から放たれているものかもしれない。
2023.11.20(月)
文=田中 稲