今年の夏は謎解きドラマが熱かった。「VIVANT」、「ハヤブサ消防団」、そして「最高の教師  1年後、私は生徒に■された」。どれも素晴らしかった。推理はハズレまくったが、それも良きである。

 そして今、私は個人的に新たなミステリーを目の前にし、とても戸惑っている。

 ある月が美しい夜のこと。妄想族の私はふと、こんなことを思ったのだ。今、急に大きな隕石が落ちてきて、「あと10分で地球は滅亡する」という宣告をされたとしたら、私は心を落ち着けるため、誰の音楽を流すだろう?

 そのとき、無意識にこう呟いてしまったのである。

「アルフィーかな……」

 呟いた瞬間、自分にビックリした。

 あああアルフィー? いや、普通に彼らの歌で好きな曲はたくさんあるのだが、正直そんなに熱烈には追っていない。でも自然と口から出てしまった。彼らの曲が私にとって、そんなに重要なポジションを担っていたとは、何度も言うが我ながらびっくりである。

 そういえば、以前GLAYの記事を書いたときも、「絶対解散しなさそうなバンド」として、特に必要もないのに、なぜか入れたくなって、GLAYと並べてアルフィーの名も入れ込んでしまった。あの時も我ながら「無性にアルフィーの名を入れたくなったけどなぜ?」と首をひねったものである。

 どうやら、私は自分でも気が付かないうちに、あの3人に絶大な信頼を置いている。怖い。なんか怖い!

 よし、ならばいっそ謎と向き合ってみよう。秋の夜は長い。「THE ALFFE」というミステリーを考察するのにちょうどいい――。

2023.09.27(水)
文=田中 稲