「CREA」2023年秋号は、「偏愛の京都」特集です。
コロナ禍を経て初となる国内旅の特集は「偏愛の京都」。リアルな旅に沸く古都の、まだ知らなかったフードシーンやカルチャーを“偏愛”をキーワードにお届けします。京都ならではの和食やアンティークをはじめ、訪れる者には新鮮に映る「京都の中華」、少し足を延ばして訪う大原の日曜市や京丹後のサウナまでコンテンツ満載。次回の京都旅が新鮮なものになること間違いなしの永久保存版です。
CREA 2023年秋号
永久保存版 偏愛の京都
特別定価950円
CREA WEBでは、「CREA」2023年秋号のコンテンツの一部を大公開します!
2.5次元舞台『ヒプノシスマイク』のステージ上で、4年間、ひときわ強い輝きを放ってきた阿部顕嵐さん。
“ヒプステ”卒業を控えたいま、思うこと。そして、かけがえのない4年間の道程を振り返ります。
清々しい気持ちで公演を楽しみたい
外に歩を踏み出した途端、まとわりつくような熱気。それでも阿部顕嵐さんは、まるで厭わない様子で颯爽と歩き出す。アイスを手にすると無邪気な笑顔を浮かべ、周囲と気さくに言葉を交わす。朗らかで飾らない空気感を持った人。
その阿部さんが、『ヒプノシスマイク−Division Rap Battle−』Rule the Stage(以下、ヒプステ)では一転、ヤクザの若頭・碧棺 左馬刻を迫力たっぷりに演じている。
「普段はクールなんですが、かわいらしい一面もあって、イジられたりもする。“カッコいい”は溢れているから、それ以外の魅力も出したくて、見せ方の塩梅は結構試行錯誤しましたね」
本作のシリーズがスタートした2019年から4年にわたり演じてきた、思い入れがある役と作品。しかし、「−Battle of Pride 2023−」での卒業が発表されており、出演はこれが最後。今はただ、「清々しい気持ちで公演を楽しみたい」と笑顔を見せる。
「最初のころは、ラップでセリフを言うこと自体が挑戦でした。いくらカッコよくても、言葉が伝わらなければ意味が無い。どうしたら違和感なくカッコよくちゃんと観客に届けられるかが難しかったです」
原作は声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト。当初は舞台化を懸念する声も多かったが、回を重ねて人気公演へと成長させていったのは、俳優たちと制作チームの真摯な姿勢と熱量に依るところが大きい。
「毎回毎回、とにかく形にしていくことに必死でした(笑)。求められることをただやるのではなく、それ以上のものを見せたいというのは、僕らチーム全員が思っていたこと。それがいい方向に繋がっていったのは嬉しいですよね」
2023.09.07(木)
Text=Risa Mochizuki
Photographs=Ichisei Hiramatsu
Styling=Tetsuya Nishimura
Hair & Make-up=Akari Isono