古都で存在感を放つ近代建築を巡る旅

京都は、近代建築の宝庫なんですが、京都大学に通っているころはそこまで興味がなかったんです。日本の近代建築の父と呼ばれる辰野金吾を知ったのは『プリンセス・トヨトミ』の連載中。
その後、建築の本を読んでいると辰野金吾の名前をよく見るようになり、このとにかく大きくて、けれども品があるがっちりとしたレンガ造りの「辰野建築」が気になるように。東京駅なども辰野の設計で、どこか似通ってはいるんですが、独特の存在感を放っています。
「京都文化博物館 別館」もおしゃれな店が立ち並ぶ三条通りでは異質な存在でしょう?

「長楽館」は、取材の場所として指定されて訪れたのがきっかけ。京都はとにかく暑くて寒いから、歩きまわるのもしんどいでしょう。ここなら観光とお茶が一緒にできて、いいんじゃないですか。どこを切り取っても映える写真が撮れますよ。
京大の時計台は、なんといっても空がひらけているのが好き。地元の学生の気分で、構内を堂々と歩きながら鑑賞してください。いつもの観光とは違う気分が味わえるはずです。
2023.12.30(土)
写真=岡本佳樹
CREA 2023年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。