Column：田中稲の勝手に再ブーム

4月でデビュー33周年
この春、「危険な女神」の恋が再燃！
KATSUMIの名曲をもう一度——。

CULTURE

2023.3.18

熱く伸びる歌声で、さあ、旅に出るのだ！「IT’s My JAL」

　彼の歌は、その伸びやかな声が活かされていて、聴いているもののテンションを底上げし、大空に飛ばしてくれるようである。「YES, 抱きしめて」や「笑顔がいいね」など、CMやドラマ主題歌などに使われていたものも多いので、聞き覚えのある人もたくさんいらっしゃるだろう。

　冒頭で書いた「IT’s My JAL」もそう。タイトルの通り、JALのCMソングで当時も大好きだったが、検索で見つけたのが自粛期間だったので、より響いた。おかげで妄想飛行機で雲を突き抜け、KATSUMIの声に乗って、どこまでも広がる青空を見ることができたよ！

　彼の公式チャンネル【OFFICIAL】KATSUMIチャンネルには、MVの説明欄に、ご本人が記した当時のエピソードが載っていてとても楽しい。ちなみに「IT’s My JAL」は、24時間オール状態で撮影されたそうで、「記憶が重すぎて場所も思い出せません、、。」(引用)とのことだ。ほ、本当にお疲れさまでした……。

　1995年の「新しい風」のMVは、なんとガチでヘアカットしながら歌うという斬新な演出。これも2020年、改めてYouTubeにアップされ、KATSUMIのこんなコメントが添えられている。

「今年度は違う風が吹いてしまいましたが、それを逆手に受けて新しい世界を作っていける世の中になれば良いと思います。

　そして僕も、いつも新しい風に吹かれていたいなと、今でも思っています。

　皆さんの周りにも、そして心の中も、フレッシュな新しい風で包まれますように。」(引用：KATSUMI／新しい風(1995))

「薔薇」が声を持ち、歌ったならこんな風。現在の、やわらかなハスキーボイスも本当にやさしく、美しい。

　春はたくさん彼の声が聴けそうだ。今春公開の岡山県津山市のご当地映画『津山遥かなり文太の花道』に、挿入歌「Yes,抱きしめて」エンディング曲「Try-君がいるから」が決定しているそうだ。選曲がすばらしいではないか。ナイス津山市！

　デビュー33周年記念ライブ、ニューアルバム『water.』のリリースも予定されている。Tryし続けているKATSUMI。その声は、きっとこれからも花を咲かせていく。

　私の心にはもうしっかりと美しい蕾が！　春らしい、爽やかで嬉しい再会だった。

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田中稲(たなかいね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/