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 繊細で陰のあるキャラクターから大胆で豪快な役柄まで、あらゆる演技をこなす豊川悦司さんが、池波正太郎の人気シリーズ『仕掛人・藤枝梅安』の主人公・藤枝梅安を、2023年公開の映画で演じます。

 2023年は、原作者・池波正太郎の生誕100年を迎える記念の年。「時代劇、新時代。」と銘打った本作で、新たな梅安をどう見せてくれるのか。作品への思いと、見どころをお聞きしました。


藤枝梅安は、子どもの頃から憧れのヒーロー

──子どもの頃から作品の大ファンだったそうですね。「藤枝梅安」は、豊川さんにとって、どんな存在でしたか?

 僕にとって藤枝梅安は、子どもの頃から憧れのヒーローでした。今回のオファーを受けて、あらためて池波先生の原作を全部読み直したのですが、いま読んでも、まったく色褪せていないですよね。実に斬新でトリッキーで、とにかくおもしろいエンターテインメント作品だとあらためて感じました。

──『仕掛人・藤枝梅安』は、これまでに幾度も映像化されてきました。役作りにおいて、過去作品は参考にされましたか?

 子どもの頃観ていた緒形拳さん主演の『必殺仕掛人』はもちろんですが、緒形さん以外にも多くの方によって映像化されていますので、それらをすべて観ました。「梅安」という切り口は同じでも、構成も演出も作品によって違うので、どれを観てもすごく楽しかったです。

 役者としては“梅安”というキャラクターのどこをデフォルメしていくか、というところにやりがいを感じました。監督や共演者の方々とそんな相談をするのも、とても楽しかったですね。

2022.12.18(日)
文=相澤洋美
撮影=橋本 篤、山元茂樹