サブスクが思い出させたKATSUMIへの恋心。ならば公式YouTubeで徹底的に思い出に浸ろう!
忘れたい恋がある、忘れさせない声がある。サブスクリプションは罪なヤツ。セツナ苦しい「再会」を運んでくる罪なヤツ!
それはコロナ禍の一番過酷な時期。私は、耐えられない閉塞感に頭を抱えていた。ああ、旅に出たい。でも旅どころか外に出るのもはばかられる。せめて音楽で、気分だけでもレッツ・トラベル! とパソコンにて旅の音楽を探しているうち、偶然彼にたどり着いたのである。
それは私が大学時代、恋をしたKATSUMI。検索で出てきた曲は「It's my JAL」(1991年)!
ウォィエアーーッ!! イントロが流れてきた途端、懐かしさと甘酸っぱさ、心の準備ができていないことによる驚異的な照れくささのため、声にならぬ声で叫んでしまった。鏡を見ると頬が真っ赤でユデダコのようである。
大好きだったあの頃の気持ちがぶり返し、心臓バクバク。1曲で気持ちがおさまるわけがなく、私はサブスクに飛んだ。
あった……。震える手でKATSUMIを知るきっかけとなった2ndシングル「危険な女神」をプレイオン!
ヒィィイーッ(もだえる)!! 一気に興奮がよみがえる。この曲との出会いは本当にデンジャラスかつ挑発的だった。1990年、突然、あまりにも色っぽく美しい声が私の前に、白い馬ではなく、カメリアダイヤモンドのCMに乗って現れたのである。
「危ッ険な女神を愛してー!」
一瞬にして、一目惚れ、いや一耳惚れをしてしまった。
1980年代から90年代にかけ、深夜に流れていたカメリアダイヤモンドのCMソングは、どれもスタイリッシュで都会的。どこか切なさもあり、良い意味でバブル末期特有の勢いを感じる名曲揃いだ。
鈴木聖美with Rats&Star「ロンリー・チャップリン」、鈴木雅之「別れの街」、B’z「太陽のKomachi Angel」、中西圭三の「WOMAN」「You And I」、アン・ルイスの「天使よ故郷を見よ」、久宝留理子の「男」! どれも印象深いが、やはり私にとってKATSUMIの「危険な女神」は今もスペシャルナンバー1。改めて調べてみると、4月25日でデビュー33年を迎えるという。1カ月ほど早いが、祝いたい気持ちが止まらない。こうなればとことんKATSUMIのタイムトラベルを堪能すべく、公式YouTubeに行ってみようではないか!
2023.03.18(土)
文=田中 稲