愛しさと戸惑いと心強さの4時間半。迷いもあるけどそれも紅白の面白さ!

 毎年恒例、世間が忘れた頃に、紅白の興奮、時々不満を掘り起こすこの企画――。NHKから「違う、今じゃない」とツッコまれそうな遅すぎる紅白レポである。

 ただでさえ遅いので進行は巻きでいこう。(碇ゲンドウポーズで)さあ皆さん、どうでしたか、2022年の紅白は……。エッ、まずはそちらからどうぞ? 了解、私の感想から言おう。

 オープニングの東京スカパラダイスオーケストラにまずシビレ、郷ひろみは躍動美伝説をさらに更新し、膝をついてハッスルシンギンする鈴木雅之にクラクラし! 篠原涼子工藤静香のスタイルと歌唱力維持にたじろぎ、安全地帯の魂のサウンドに泣き、私の2番目の初恋・世良公則様の笑顔に悶え……。NHKホールは、シブみがかったゴールドのオーラが広がっていた。

 若手は、ノーマークだったVaundyにフォーリンラブ。ハートを盗まれる瞬間は突然に訪れる。が、由々しき問題も……(もう一度碇ゲンドウポーズ)。前半に初登場のグループやバンドの順番がかたまり、50過ぎの衰え激しい脳細胞が悲鳴を上げた。あの子気になる。クッ、しかし確認が間に合わん、うおお次また似たような人数のグループが出てきた! を繰り返し、もう誰がどこの所属か混乱状態であった。大反省である。このようなことは今回限りにしたい。「スマホの見過ぎで記憶力が低下する」という記事を読んだので、とりあえずスマホ閲覧を控えている。

 話が飛んでしまった。私の記憶力維持対策より、2022年紅白の震えるようなブラボーを語ろうではないか。ボヤキと知的は表裏一体であることを証明した大泉 洋! 天性のアイドル性と肝っ玉を見せつけた橋本環奈! そしてアイドルに辛辣な老母が「やるわね櫻井」と呟いたほど堂々たる仕切りを見せた櫻井 翔

 さあ、ご一緒に、この黄金トライアングルの司会が光った昨年末のおもかげを辿り、読むのがいいわ、読むのがいいわ……。

2023.01.31(火)
文=田中 稲