1月ももう末。すっかり通常ルーティンに戻った世間に、今一度うすーく正月の風をお届けする、恒例の「遅すぎる紅白レポ」。

 いきなりですが、もうステキ過ぎて震えましたよね「マツケンサンバⅡ」! あの歌は平和をもたらすパワーがある、ということを全世界が認知したはず!!

仰天の連続! しかし戸惑いも……

 この歌がヒットしたのは2004年。今から18年も前だが、溢れ出るパッションは全く衰えず。「もしもこれが五輪開会式で使われていたら」というパラレルワールドを体験できるとは思わなかった。ありがとう、紅白!

 白組一番手、郷ひろみの66歳とは思えない若さに仰天し、櫻坂46「流れ弾」とSnow Man「D.D.」の、画面から熱気がバーンと弾け出してくるようなパフォーマンスにこれまた仰天し。 上白石萌音「夜明けをくちずさめたら」やBiSH「プロミスザスター」がとても良い歌であることを知り、カラオケリストにメモり……。

 しかし同時に、中継の多さにオロオロもした4時間15分。映像技術はハイハイハイクオリティくらいになっているけれど、薄らいでいくライブ感。

 28歳の姪は「ここ数年で一番よかった」82歳の母は「これまでで一番面白くなかった」と言っていた。ザックリ言えば、年齢層でここまで差が出る紅白だったということだろう。

 長年お世話になっていたかかりつけのお医者さんが、大先生から若先生に代替わりしたときと似た戸惑いといおうか。

 「あらー、そうですか。これからそうなりますか」という頼もしさと、寂しい気持ちのハーモニー……。山内惠介と三山ひろしはなぜ廊下で歌っているのやら? 毎回身体を張って盛り上げてくれる若手演歌勢にはステージで歌ってほしいのよーぅ! そう遠い目になる私に、

「もう風の時代ですよ。一つの舞台にこだわらないで」

 と諭すように登場したのが藤井 風。まさかの実家でシンガソーンッ!! じっ時代はここまでラフになっているのか! 私は驚き過ぎて口に頬張っていたカニを吹き出した。

 有観客ではあったが、まだまだコロナでカメラマンは入れず。去年に引き続き、出演者がアップしたSNS画像とともに、一緒に紅白振り返り、お楽しみください!

2022.01.23(日)
文=田中 稲